【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第10章 Honeyed Threat
「じゃあ、もうちょっとここにいなよ。ほら、寄って。」
まるで小さな動物を抱えるみたいに、黒尾の腕は自然と 仁美 を囲んでしまう。
仁美は黒尾の腕の中で、彼を見上げた。
ジッと自分を見上げる仁美に、黒尾はすぐに気がつく。
頬を少し赤く染めた仁美の表情に、グッと胸が締まった。
「…そんな可愛い顔で見ないでよ。」
黒尾は照れながら、それでも嬉しそうに仁美にキスをする。
仁美の頭に手を添えて、髪の毛に指を絡める。
はぁ…と吐息が漏れると、黒尾は仁美の顔を手で覆って、仁美の目を覗きんだ。
「…俺、今まで仁美に触るの、どうやって我慢してたんだろうな…。」
今は彼女に触れ、キスをするのも自分だけだ。
それがとても幸せだった。
黒尾の手が仁美の服に伸びると、仁美はその手を押さえるように掴んだ。
「……………。」
掴まれた意図は分かっているが、黒尾はその手を戻そうとはしないで、しばらく2人は無言で見つめ合う。