【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第10章 Honeyed Threat
仁美 は短く返信を送る。
『ただいま。明日朝でいいよ』
送信を押したあと、自然と会話一覧に視線が滑った。
……研磨のアイコン。
今まで、研磨から連絡が来ないことを気にしたことなんて一度もなかった。
むしろ、既読が付こうが付くまいが、研磨らしいと思っていたくらい。
でも──
今は胸が、きゅう、と締め付けられた。
研磨から何も無い。
黒尾と繋がって、恋人になって、研磨と仁美 の距離は確かに変わってしまった。
(もう、軽く頼れないんだ…。)
そう気付きたくなくて、画面を閉じようとしても閉じられない。
黒尾とのスレッドは騒がしい。
研磨のスレッドは静かだ。
あまりにも対照的なその沈黙に、胸の奥で鈍い痛みが広がった。
声に出せばきっと壊れてしまうから──
仁美 はスマホを伏せ、両手で顔を覆った。
黒尾と付き合うことになったはずなのに、どうしてこんなに心がざわつくのか──
仁美 には、もうはっきり分かっていた。