【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】
第10章 Honeyed Threat
黒尾もまた、自分と同じように不安に苦しんでいることは分かっていた。
仁美もまた、このままの状態で卒業をすることを望んでいない。
「ん…。」
黒尾の顔は 本当に子供みたいに 明るくなった。
「……マジで?じゃあ決まり。明日、迎えに行くから。」
言い終わるが早いか、黒尾は仁美 を抱きしめた。
「嬉しい……ずっと一緒にいられるな。」
囁き声が、首筋に落ちる息に溶けた。
仁美 はそのまま軽く抱き返しながら、黒尾の腕の強さに胸がざわつくのを自覚した。
でも黒尾は満たされたように目を細めていた。
家に帰って、自分の部屋のドアを閉めると、静寂がじんと耳にしみた。
ベッドに座ってスマホを開く。
すぐに画面に浮かぶのは、黒尾からの立て続けのメッセージ。
『家着いた?』
『明日何時に行く?』
『寝る前に声聞きたい。』
付き合ったばかりの恋人のようなテンション。
いや、実際そうなのだけれど──…。
黒尾らしくないほどの焦燥を感じる。