• テキストサイズ

【ハイキュー!!】矢印の先に、俺(私)はいない【R指定】

第8章 Unholy Devotion


スマホの画面に落ちた視線は、あまりに速くて——研磨以外、誰も気づかないだろう。




(……まただ。)




黒尾はすぐ笑い顔に戻り、「アイス買いに行くか」なんて軽く言っていた。

仁美は無邪気に頷く。

そこに翳りなんて一つもない。





だけど研磨の眼には、ほんの僅かな“違和感”が焼き付いた。

黒尾が隠している音が、微かに聞こえた気がした。

いつもと同じように振る舞ってるけど指先が、落ち着いてない。





黒尾は器用だ。

隠すのは上手い。

強いし、人に見せない。




けれど研磨は知っている。

黒尾鉄朗が、胸の内に何か抱えたときの目を。




たとえば、試合前に背負い込みすぎたとき。

たとえば、負けを認められないとき。




今回のそれは——

もっと深い、沈む色だった。




(……何をしてるの、クロ。)




問いかけは喉で止まる。

言わない。仁美には絶対に言わない。




ただ、静かに見ているだけ。

黒尾が何かを抱えて転びそうになる、その一歩手前を。




ああ、また。

クロの心がどこか行く音がする。


/ 351ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp