第29章 起首雷同
「昨日、姉ちゃんに伏黒さんの話したんですけど」
「あの…、森下さんって近所でお葬式やってて…。その人と八十八橋のこと調べてるって、この子に聞いたから…。何か関係あるのかなって…」
「関係って?」
「だから、森下さんが亡くなったことと橋が…」
「関係ない。俺達はただ」
「私、行ってるの。中2の時、夜の八十八橋に」
藤沼の姉は顔を真っ青にして言う。
「最近、何かお家で変な事ないっスか?家族の中で自分だけが感じる違和感とか」
新田の言葉を聞いて、心当たりがある素振りをみせる。
「私の家、地方のアンテナショップやってるんですけど。私が帰る時だけ、お店の自動ドアが開きっぱなしなんです。お父さんもお母さんもたまたまだって言うんですけど、絶対何かいるんです。怖くて…。そんな時、伏黒君の話を聞いて、八十八橋のこと思い出して」
「自動ドアの話は、いつ頃からっスか?」
「丁度、1週間前から1日置き位…」
被害者4人共、異常発覚から亡くなるまで最低でも、2週間は空いている。少しだけ余裕があると、ロロ達は思った。
「当時、八十八橋に1人で行ったわけじゃないわよね?誰と行ったか覚えてる?」
「あの…、やっぱり何か関係が…」
「自動ドアとはね。でも、森下さんが亡くなったのには関係ないっスよ。私の大学の課題を伏黒君達に手伝ってもらってるんス。『心霊スポットにおける電磁波と電化製品への影響』。ゲロダルいっス。でも、色んな人の話聞きたいから、一緒に行った人教えてほしいっス」
新田の嘘に藤沼の姉は安堵する。
「…肝試しに行ったのは、部活の先輩2人…。そうだ、伏黒君。あの時、津美紀さんも一緒にいたよ」
「そうか。じゃあ、津美紀にも聞いてみるわ」
藤沼姉弟が去った後、虎杖が伏黒に声をかける。伏黒は冷や汗をかいていた。
「伏黒!!しっかりしろ!!まずは、安否確認だろ!!」
「…大丈夫だ。悪ィ、少し外す」
伏黒は伊地知に連絡をする。事情を話て、津美紀の護衛をしてもらう為だ。だが、手の空いているのは、2級術師だけだそうだ。被呪者の数がこちらの想定よりずっと多いとなると、呪いの等級も見直さないといけない、と伊地知が言う。