第31章 これからの話
2018年10月19日。
「コッチよ。五条から内通者の話は聞いているわね」
歌姫の言葉にロロ達は、はいと返事をする。
「多分、呪詛師と通じてるのは2人以上。1人は学長以上の上層部。コッチは私じゃ、どうしようもない。もう1人、その上層部に情報を流してる奴がいる。それが、今回の標的。まだ容疑の段階だから、捕縛後、尋問します」
「で、京都の誰ですか?私達、東京側に頼むってことはそういうことでしょ?」
「釘崎、スゲーな…」
歌姫は黙り込む。内通者はメカ丸こと、与幸吉だ。幸吉が怪しいんじゃなくて、誰も怪しくないから消去法で幸吉なのだ。傀儡操術。傀儡の操作範囲は天与呪縛の力で、日本全土に及ぶ。登録していない傀儡があれば、内通者としての仕事はいくらでもこなせる。幸吉本体なら目立つが、傀儡が蝿や蚊のようなサイズなら目立たない。標的の居る部屋まで来ると、歌姫の合図で虎杖がドアを壊す。
「やられたわね」
そこには誰もいなかった。
「でも逆に、これでメカ丸で確定だね」
ロロの言葉に皆頷く。
その頃、幸吉は偽夏油と真人と会っていた。
「遅かったな。忘れられたかと思ったぞ」
「そんなヘマはしないさ。呪縛の恐ろしさは君が身をもって知っているだろう」
「相変わらず、カビ臭くてやんなるね。もう、敵なんだからちゃっちゃっと殺しちゃおうよ」
「まだ駄目だよ、真人。私達に協力し情報を提供するその対価として、真人の『無為転変』で体を治す。そういう『縛り』を私達は彼と結んでいるからね。殺すのは、治した後だ。彼には、渋谷でも働いてほしかったけど、仕方ないね」
「『京都校の人間には手を出さない』先に『縛り』を破ったのは、貴様らだろう」
「やったのは、花御だもーん。八つ当たりはやめてほしーなー」
「呪霊と議論する気はない。さっさと治せ、下衆」
「勢い余って芋虫にしちゃいそう」
「真人。他者間との『縛り』は自らが自らに科す『縛り』とは違う。その違いの1つに『罰』の不確定さがある。自分の中の『縛り』は破った所で得たモノ…、向上した能力などを失うだけだが、今回は駄目だ。『縛り』を破った時、私達にいつどんな災いが降りかかるか分からない」
「ハイハイ。感謝してよね、下衆以下」
真人は幸吉の頭に手を置き、無為転変で体を治す。治し終わると2人は戦闘モードになった。
