第28章 呪術甲子園
「っつーわけでさ、色々あったし人も死んでるけど、どうする?続ける?交流会」
五条はそう言うと、ロロ達を見渡す。
「うーん…、どうするって言われてもなぁ…」
「当然、続けるに決まっているだろう」
東堂はそう言う。
「その心は?」
「1つ、故人を偲ぶのは当人と縁のある者達の特権だ。俺達が立ち入る問題ではない。2つ、人死にが出たのならば尚更、俺達に求められるのは、強くなることだ。後天的強さは『結果』の積み重ね。敗北も噛みしめ勝利を味わう。そうやって俺達は成長する。『結果』は『結果』として、在ることが一番重要なんだ」
「東堂先輩って、意外としっかりしてるんですね」
「しっかりイカれてんのよ」
三輪の言葉に真依がそう返答した。
「3つ、学生時代の不完全燃焼感は、死ぬまで尾を引くものだからな」
「オマエ、いくつだよ」
五条がツッコむ。
「俺は構わないですよ」
「私も」
「どーせ勝つしね」
伏黒、ロロ、釘崎は賛成した。アコーディオンの音が聞こえてきた。そちらにロロ達は顔を向ける。注目が集まった所で、音無は弾くのをやめた。
「…個人戦の組み合わせは、くじ引きですか?」
「え、今年は個人戦やんないよ」
ロロ達は疑問符を浮かべた。それぞれの学長が提案した勝負方法を1日ずつ、2日間かけて行うはずだ。けど、それは建前で初日が団体戦。2日目が個人戦って毎年決まっている。
「僕、ルーティンって嫌いなんだよね。…それにしても君、面白い術式持ってるね」
五条はロロにくじ引きの箱を渡すと、音無を眺めた。ロロは1枚紙を取り出すと、紙には野球と書かれていた。
「野球ぅ〜??」
紙を覗き込んできた楽巌寺と夜蛾が声をそろえて言う。
「どういうことだ、夜蛾」
「いや私は確かに個人戦と…。待て、悟!!」
五条らしいと、ロロはクスクスと笑った。
ロロ達が野球をしている間、楽巌寺と夜蛾が話し合う。
「…まだ、虎杖が嫌いですか?」
夜蛾の質問に、楽巌寺は好き嫌いの問題ではないと答える。呪術規定に基づけば虎杖は存在すら許されない。だが、虎杖のおかげで救われた命も確かにある。今は見守ろうと、夜蛾は言う。大人の後悔はその後でいいと。
30年度交流会、勝者、東京校に決まった。