第26章 相見える
「なんで『帳』が下りてるの!?」
ロロは走りながら空を見る。何かがあったんだ。ロロは急いで、伏黒達と合流しようとしたその時。ドカンッ、と何かが目の前に降ってきた。
「鬼のお面を下げた女…。テメェ、夜叉椿か?」
目の前に現れたのは鬼哭羅だった。ロロを品定めするかの様に凝視する。
「なんでその名前を…」
そう言った瞬間、鬼哭羅が距離を詰めてきた。ロロは鬼のお面を急いで付ける。拳が一直線に飛んできた。ロロは頭を僅かに傾ける。拳が頬を掠めて、背後の木を倒す。鬼哭羅は腕を引きながら体を回転させて、その勢いのまま蹴りを放った。
「っ!」
腕で受けるが、衝撃で体が吹き飛ばされる。靴底が地面を擦り、砂埃が舞う。ロロは顔を上げる。鬼哭羅はもう目の前だった。連続する攻撃を紙一重で躱しながら、隙を探す。そして、懐へ潜り込んだ。
「骸牙!!」
両手を鬼哭羅の腹部へ当てる。だが、何も起きない。
「やっぱりこの姿じゃできないか…」
鬼哭羅がそのまま腕を掴み、ロロの足を払う。体勢を崩したロロが倒れる。
「真人が言ってた通り弱いな、テメェ。どうしたら、枷が外れて強くなる?」
ロロの腕を掴んだまま、鬼哭羅が言う。ロロは目を閉じてゆっくりと目を開ける。宿儺の生得領域に立っていた。
「宿儺、領域展開を使いたいから、許可がほしいの」
「ケヒヒッ、断る」
「な、なんで!?」
「潮時ではないからだ」
頬杖をついて宿儺は妖艶に笑う。
「私今、ピンチなんですけど」
「そうか。頑張れ、頑張れ」
これ以上ここに居ても、領域展開の許可はおりないだろう。ロロは生得領域から出た。
「おい、聞いてるのか」
「聞いているわ、よっ!!」
不安定の体勢から足蹴りをくらわす。鬼哭羅は距離を取る。バシュッ、と帳が上がった。
「チッ、時間切れだ」
ロロは空を見上げると、人影を見つけた。多分、五条だろう。
「俺の名は、鬼哭羅だ。テメェは必ず俺が倒すからな」
そう言うと、鬼哭羅は去ってしまった。ロロは鬼のお面をのけて、溜め息を吐く。その後、地鳴りが聞こえた。五条が虚式『茈』辺りを使ったのだろう。冥冥の烏だ。皆の所に案内してくれるみたいだ。