第23章 夜叉椿
「そうそう、最後に特記事項になんて書いたの?」
五条が小指を出したまま聞いてきた。
「色々書いたよ。鬼の力をお面に封じ込めて、使う時はお面を付けるとか。私がこの世界からいなくなったら皆忘れるとか。お面を座標にするとか。あと彼氏が欲しいですとか」
「最後の願望だよね?」
「私が人間になった最終目的は、彼氏を作ってそれで子供を産んで、人生を謳歌すること!」
拳を強く握り、ロロは宣言した。
「じゃあ、彼氏に僕とかどう?」
「悟は顔は好みだけど、もう心に決めた人がいるの」
ロロはチラッと虎杖を見る。
「俺っ!?」
「違う違う!私が好きなのは、宿儺!!」
言ってからロロは顔を真っ赤にして、鬼のお面で顔を隠す。五条、虎杖、七海は顔を見合わす。
「鬼住、やめといた方がいいぞ。コイツ、自分勝手だし」
「…私は、私より強い人が好きなの。今は私より弱いけど、きっと私より強いはず。傲岸不遜で残忍酷薄な所にも惚れたの」
「残念、僕振られちゃった〜」
「…五条さん」
ちょっと本気だったんだけどな、と五条は呟く。それが聞こえた七海は溜息を吐く。
「もう遅いし、この辺で解散しようか」
五条の一言に鬼住と虎杖、七海は頷く。虎杖は家入から絶対安静と言われているので、すぐに部屋に戻った。ロロも部屋に戻ろうとした時、七海に呼び止められる。
「鬼住さん、前は1級術師だったんですね」
「前はね。今は3級だよ」
「大丈夫。ロロなら1級なんてすぐになれるよ」
五条がニカッと笑ったあと、鬼のお面を指差した。
「前から思ってたんだけど、お面が壊れた様に予備を持ち歩いたらいいんじゃないの?」
「私もそう思ったけど、予備を持ってたら気が散るって、兄者が言うから持ってないの」
「ふーん」
五条は顎に手を当てる。
「私も失礼します」
そう言って七海も部屋に向かった。五条と2人っきりになった。
「本当に上に報告しないの?」
「してほしいの?」
「私、上の連中嫌いなんだよね」
「プッ」
アハハ、と五条が笑う。
「僕も嫌いだよ。大丈夫、あの2人も約束守ってくれるよ」
そう言って、五条はロロの頭に手を置く。その後、ロロは五条と別れて、部屋に戻った。