第19章 もしも
「いた!」
ロロは虎杖と順平を見つけて、駆け寄る。
「何があったか話してくれ。俺はもう絶対に順平を呪ったりしない。だから…!!」
その言葉を聞いた順平は、ポツリポツリと話し出した。凪が亡くなったことを。誰に呪われたのか分からないと。ロロはスカートのポケットの中に入っている、宿儺の指を思い出す。犯人は多分呪霊だろう。宿儺の指があったことは虎杖は知らない。ロロと虎杖は、黙って順平の自宅に入ったことを謝る。
「順平、高専に来なよ」
ロロの言葉に虎杖も頷く。
「バカみてぇに強い先生とか、頼りになる仲間がいっぱいいるんだ。皆で協力すれば、順平の母ちゃんを呪った奴もきっと見つかる。必ず報いを受けさせてやる。一緒に戦おう」
順平の手を握りながら、虎杖は言った。すると、誰かが階段を下る音がする。そちらにロロ達が顔を向けると、下りて来たのは真人だった。
「はじめましてだね、宿儺の器」
「悠仁!七海さんが言ってたじゅれっ」
言い終わる前に、真人の両手がロロと虎杖を掴んで壁に押し付ける。身動きがとれない。
「順平、逃げて!!」
「逃げろ、順平!!コイツとどんな関係かは知らん!!けど今は逃げてくれ!!頼む!!」
「鬼住さん、虎杖君、落ち着いて!!真人さんは悪い人じゃー。悪い…人…」
本当に?順平は考える。その時、順平の右肩に新しく生やした真人の手が置かれる。
「順平はさ、まぁ頭いいんだろうね。でも熟慮は時に短慮以上の愚行を招くものさ。君ってその典型!!順平って君が馬鹿にしている人間の、その次位には馬鹿だから。だから、死ぬんだよ。『無為転変』」
順平は形を変えられて、改造人間になった。
「さぁ、ラウンド2だ」
虎杖の方だけ動ける様に真人は腕を戻す。ロロは鬼のお面を取ろうとするが、後少しで手が届かない。改造人間の順平が突進してきて、虎杖の顔を殴る。
「順平!!しっかりしろ!!今治してやるから!!」
脇に押さえ込むが、改造人間の順平の攻撃は止まらない。
「…ッ!!宿儺…、宿儺ァ!!」
「なんだ?」
「何でもする!!俺のことは好きにしていい!!だから俺の心臓を治した時みたいに、順平を治してくれ!!」
「断る」
「テメェ!!」
虎杖はあの時の縛りをしっかりと忘れていた。