第17章 固陋蠢愚
「位置情報を送ったので、ピックアップお願いします。一度、高専に戻って家入さんの治療を受けます」
『治療って…!!』
「大丈夫。死ぬような傷じゃありません」
『すぐに、鬼住さんと虎杖君と合流。そちらに向かいます』
「…一緒にいないんですか?」
伊地知は一粒の涙を流した。ロロと虎杖が今、順平の自宅にいることを七海に説明する。
「フーッ」
真人はまだ子供だ。貪欲に自分の成長を楽しんでいる。こちらの予想を遥かに超える被害者数。1秒でも早く祓わないと、取り返しのつかないことになる。伊地知が迎えに来た。七海が怪我をしていることに、ロロと虎杖は驚く。車内では、七海が真人のことを話す。笑っていることがバレない様に、ロロは鬼のお面で口元を隠す。強い奴がまた出てきた。心が躍る。
今朝。高専の廊下で、ロロ達は合流した。
「俺達は足手纏いかよ、ナナミン。次はちゃんと連れてってくれ。『仲間が死にました。でも僕はそこにいませんでした。何故なら僕は子供だからです』。なんて俺はゴメンだ」
「私もです」
「駄目です。知っての通り、敵は改造した人間を使う。どうしようもない人間というのは存在します。この仕事をしている限り、君達もいつか人を殺さなければいけない時がくる。でも、それは今ではない。理解して下さい。子供であるということは決して罪ではない」
七海の言葉に虎杖が俯く。
「君達にはこれから、吉野順平の監視をお願いします」
七海はそう言うと、歩き出した。多分、またアジトに乗り込むつもりなんだろう。ロロと虎杖は順平の家に行くことにした。インターホンを押しても出てこない。試しに玄関ドアをあけるとあいた。虎杖が玄関ドアをあけて、順平を呼ぶが、返事がない。
「…悠仁、何かあったのかもしれない。お邪魔します」
ロロか靴を脱いで家にあがる。虎杖も慌てて後をついてくる。残穢が微かに残っていて、2階に続いていた。その後を追ってドアをあけると、多分順平の部屋だろう。呪霊がいた。鬼のお面を付けて呪霊を祓った。ふと机の上を見ると、宿儺の指があった。何故これがここに。宿儺の指を持ち上げた瞬間。
「鬼住!!」
虎杖の声がした方に走る。そこには、腰からしたが欠損した凪の遺体があった。