第16章 幼魚と逆罰
「友達?」
「さっき会ったばかりだよ」
「さっき会ったばかりだけど、友達になれそーでーす」
「なんて子達?」
「鬼住ロロです」
「虎杖悠仁です!!お母さん、ネギ似合わないッスね」
「お、分かる?ネギ似合わない女目指してんの」
「…何言ってんの?」
凪が吸っていたタバコを順平は奪い取る。
「タバコ!!やめてって言ってるだろ。灰皿出して」
「はいはい。ロロちゃん、悠仁くん、どう晩飯食べてかない?」
「ちょっと!!迷惑だろ!」
「私の飯が迷惑?あ"ん?」
親子喧嘩し始めたその時、虎杖のお腹が拡大に鳴った。
「嫌いなもんある?アレルギーとか」
「ないです」
「ないッス!!」
お言葉に甘えて晩飯をご馳走になることになった。食卓にご飯が並ぶと、凪はビールを飲み始めた。
「そんで!?そんで!?」
「そんでね!!たかし君が自信満々に『外来種の幼虫だ!!』っつーから拾ってみたら、給食の糸こんにゃくだったんスよ!!」
「ぶはははは!!糸こん!!糸こんにゃくだってぇー!!」
「母さん、飲みすぎ」
さっきの話が面白すぎてロロも、鬼のお面を口元に当てて笑う。
「ほら悠仁君、モノボケ、モノボケ」
凪がお盆を虎杖に渡す。ある映画のモノボケをする虎杖に、飲み物を飲んでいた順平が吹き出す。凪がお酒で眠るまで、この部屋は笑いに満ちていた。
「母ちゃん、いい人だな」
「…うん」
寝てしまった凪にブランケットをかけながら頷く。
『学校?いいんじゃない?行かなくても。アンタぐらいの年頃はなんでも重く考え過ぎるからね。学校なんて小さな水槽に過ぎないんだよ。海だって他の水槽だってある。好きに選びな』
凪が言った言葉。この言葉に順平は救われた。
「鬼住さんと虎杖君のお母さんはどんな人?」
「物心ついた頃には兄しかいなかったから、知らないかな」
「鬼住って兄貴いたんだ」
「うん、双子のね」
「俺は、会ったことねーんだわ。父ちゃんはうーっすら記憶あんだけど。俺には爺ちゃんがいたから。あ、悪ィ。電話」
多分、伊地知からだろう。これから一緒に映画を見ることになったので、すぐに電話を切る虎杖。