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【呪術廻戦】兄者、私人間になりたい!

第16章 幼魚と逆罰


「バレても問題のない術式、問題のない相手。またはバラすことで、ミスリードを誘うのであればいいでしょう。メリットはあります。『手の内を曝す』という『縛り』が術式効果を底上げするのです。こんな風に」

七海はそう言うと、布をグルグル巻いた鉈を振るった。峰打ちなのに、腕時計をした呪霊の手足が切られて、その場に倒れる。

「私からは以上です」

相変わらず凄い術式だ。ロロは鬼のお面を付けると、呪霊を足蹴りした。中央に穴が開く。虎杖も攻撃してきた呪霊に拳をぶつける。虎杖の呪力は遅れてやってくる。虎杖の瞬発力に呪力が追いついていないのだ。呪力を留める技術も未熟だから、軌跡に残りがち。それが逆に変則的な呪力の流れを作り、拳が当たったと認識した直後に呪力がぶつかってくる。つまり、一度の打撃に二度の衝撃が生まれる。この攻撃を『逕庭拳』と五条が名付けた。

「五条さんが連れてきただけはあるわけだ。失礼、今止めを」

呪霊が腕時計を付けていることに気づいた七海は、嫌な予感がしてスマホで呪霊を撮る。すると。

「鬼住さん、虎杖君!!止めは待って下さい!」

ロロと虎杖はピタリと動きを止める。七海がこちらに歩いて来て、スマホを見せてきた。そこには七海が戦っていた呪霊が写っていた。普通呪霊は写真などに写ることはないのに。

3体の呪霊を高専に運び、家入に見てもらった。

『人間だよ。いや、元人間と言った方がいいかな。映画館の3人と同じだな。呪術で体の形を無理矢理変えられている』

電話越しに衝撃的なことが分かった。

「それだけなら初めに気づけますよ。私達が戦った3人には、呪霊の様に呪力が漂っていた」

『そればっかりは犯人に術式のことを聞くしかないな。ただ、脳幹の辺りにイジられた形跡がある。恐らく、意識障害…錯乱状態を作り出すためだろう。脳までイジれるなら呪力を使える様に、人間を改造することも可能かもしれん。脳と呪力の関係はまだまだブラックボックスだからな。そうだ、鬼住と虎杖は聞いてるか?』

家入は教えてくれた。3人の死因は体を改造させられたことによる、ショック死であると。ロロと虎杖が殺したわけじゃないと。ロロは虎杖をチラッと見る。少し戸惑っていたが、何とか大丈夫そうだった。
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