第15章 退屈
「ご自由に。こっちも長話する気はないよ。昨晩、未登録の特級呪霊2体に襲われた」
「それは災難じゃったの」
「勘違いすんなよ。僕にとっては、町でアンケート取らされた位のハプニングさ。その呪霊達は意思疎通が図れたし、同等級の仲間もまだいるだろう。敵さんだけじゃない。秤に乙骨、そっちの東堂。生徒のレベルも近年急激に上がってる。去年の夏油傑の一件。そして現れた宿儺の器」
「何が言いたい」
「ククッ、分かんないか。アンタらがしょーもない地位や伝統のために塞き止めていた力の波が、もうどうしようもなく大きくなって、押し寄せてんだよ。これからの世代は、『特級』なんて物差しじゃ測れない。牙を剥くのが僕だけだと思ってんなら、痛い目見るよ、おじいちゃん!!」
「少しお喋りが過ぎるの」
「おー、怖!!言いたいことも言ったから、退散しよーっと。あ、夜蛾学長は2時間位でくるよー」
じゃ〜ね〜、と言って五条は去って行った。
その頃、ロロは虎杖の相手をしていた。鬼のお面を付けて何度目かの組み手が終わると、虎杖は地面に手をついた。
「くっ…また負けた」
額から汗が落ちる。ロロは息を整えながら手を差し出した。
「今日はここまでにする?」
「いや、まだ!」
虎杖はその手を借りて立ち上がる。
「もう一回!」
再び始まった組み手も、結果は同じだった。投げられ、かわされ、一本を取られる。
「…強ぇな」
悔しそうに笑う虎杖。虎杖と戦って数日。要領もよく最初よりも強くなっている。映画鑑賞の方もツカモトの扱いは完璧になりつつあった。
「ごめん、悠仁。任務があるから私行くね。後で悟が来ると思うから」
「そっか。…その、伏黒と釘崎は元気か?」
「元気だよ」
それを聞いた虎杖は笑顔になる。鬼のお面を外したロロは部屋から出ると、伏黒達と合流した。
「ちょっとロロ、最近アンタ何してるのよ?」
「…悟に頼まれて、ちょっと用事がありまして」
別行動が増えたので、釘崎に怪しまれている。多分、伏黒も同じことを考えていることだろう。
「まあいいわ。あんま無茶するんじゃないわよ」
「うん、ありがとう」
良心が少し痛むけど、虎杖のことはバレる訳にはいかない。ロロはニコリと笑った。