第15章 退屈
「そんな、伏黒は…」
「大丈夫だ。パンダ達がついてる」
それを聞いた釘崎は一安心した。
「楽しんでるようだな」
「冗談!!私はこれからなんですけど」
「駄目だ。オマエと違って俺にはまだ東京に大事な用があるんだよ。高田ちゃんの個握がな!!」
長身アイドル高田の個別握手会のチケット握り締めながら、東堂が叫ぶ。
「乗り換えミスってもし会場に辿り着けなかったら、俺は何しでかすか分からんぞ。付いて来い、真依」
「もうっ、勝手な人!!アンタ達、交流会はこんなもんじゃ済まないわよ」
「何勝った感出してんだ!!制服置いてけゴラァ!!」
「やめとけ馬鹿。ここじゃ、勝っても負けても貧乏クジだ。交流会でボコボコにすんぞ」
「…ねぇ、真希さん。さっきの本当なの?呪力がないって」
「本当だよ。だから、この眼鏡がねぇと呪いも見えねぇ。私が扱うのは『呪具』。初めから呪いが篭もってるもんだ。オマエらみたいに自分の呪力を流して、どうこうしてるわけじゃねぇよ」
「じゃあ、なんで呪術師なんか…」
「嫌がらせだよ。見下されてた私が、大物術師になってみろ。家の連中どんな面すっかな。楽しみだ」
それを聞いた釘崎は笑顔になる。
「私は、真希さん尊敬してますよっ」
「あっそ」
2人は家入の所へ歩いて行った。
高専の応接室には、交流会の打ち合わせの為に、京都校の学長の楽厳寺嘉伸が来ていた。
「夜蛾はまだかのぉ?老い先短い年寄りの時間は高くつくぞ」
「夜蛾学長はしばらく来ないよ。嘘の予定を(伊地知を脅して)伝えてあるからね」
ドカッ、と楽巌寺の正面に足を組んで五条が座る。
「その節はどーも」
「はて、その節とは」
「とぼけるなよ、ジジィ。虎杖悠仁のことだ。保守派筆頭のアンタも一枚噛んでんだろ」
「やれやれ、最近の若者は。敬語もろくに使えんのか」
「ハナから敬う気がねーんだよ。最近の老人は主語がデカくて参るよ、ホント」
「ちょっとこれは問題行動ですよ。然るべき所に報告させてもらいますからね」
付き添いの三輪霞がそう発言したが、内心はミーハーで五条に会えた事に喜んでいた。