第15章 退屈
伏黒は鵺と蝦蟇を術式で出す。東堂はゴリゴリの近接タイプ。距離をとり拘束する作戦だったが、いつの間にか東堂が伏黒の背後にいた。
「薄っぺらいんだよ。体も女の好みも」
ドラゴン・スープレックスを伏黒にくらわす。何とかそれを抜け出した伏黒だったが、東堂が攻撃を続ける。
「例に漏れず退屈」
ぐいっ、と3匹の蝦蟇の舌が東堂を止める。
「やる気がまるで感じられん」
そう言うと、東堂は腕に絡みついている蝦蟇の舌を引きちぎる。
「下手に出てりゃ偉そうに。そこまで言うなら、やってやるよ」
伏黒が殺気を出したその時。
「動くな」
狗巻の呪言で東堂の動きが止まった。
「何やってんのー!!」
パンダが東堂の頬を殴る。
「フゥ、ギリギリセーフ」
「おかか!」
「うんまぁ、アウトっちゃアウトか」
「久しぶりだな、パンダ」
「なんで交流会まで我慢できないかね。帰った帰った。大きい声出すぞ、いや〜んって」
「言われなくても帰る所だ。どうやら、退屈し通しって訳でもなさそうだ。乙骨に伝えとけ。『お前も出ろ』と」
面倒臭いと感じたパンダは片言で対応した。
その頃、釘崎の方は。
「呪術師続けるなら、喧嘩売る相手は選ぶことね」
釘崎が数発撃たれて倒れていた。
「ウチのパシリに何してんだよ、真依」
「あら、おちこぼれ過ぎて気づかなかったわ、真希」
「おちこぼれはお互い様だろ。オマエだって物に呪力を篭めるばっかりで、術式もクソもねぇじゃねぇか」
「呪力がないよりましよ。上ばかり見てると首が痛くなるから、たまにはこうして下を見ないとね」
「あーやめやめ。底辺同士でみっともねぇ。野薔薇、立てるか!?」
「無理よ、しばらく起きないわ。それなりに痛めつけたもの」
真希は持っていた棒を真依に向ける。
「何?やる気?」
釘崎は起き上がり、真依を組み倒し首に腕を回す。
「ナイスサポート、真希さん。おろしたてのジャージにばかすか穴空けやがって。テメェのその制服置いてけよ。私の制服にしてやる」
「次は体の穴増やしてやるわよ。あと、その足の長さじゃ、これは着れないんじゃない?」
釘崎は腕に力を入れる。
「帰るぞ、真依」
東堂が現れたことに、釘崎の腕が緩む。それを逃さなかった真依は腕から抜け出した。