第14章 急襲
漏瑚がここに来たのは半分は戯れだった。だが、突き付けられた彼我の差。呪霊としての、新たな人間としての矜持が、漏瑚は受け入れられなかった。
「領域に対する最も有効な手段、こっちも領域を展開する。同時に領域が展開された時、より洗練された術がその場を制するんだ」
「灰すら残さんぞ!!五条悟!!」
「領域展開『無量空処』」
五条は目隠しを外して、領域を展開させた。すると、漏瑚が固まったまま動かなくなった。
「ここは、無下限の内側。『知覚』『伝達』生きるという行為に、無限回の作業を強制する。皮肉だよね。全てを与えられると、何もできず緩やかに死ぬなんて。でも君には聞きたいことがあるから、これ位で勘弁してあげる」
五条はそう言うと、漏瑚の頭を引きちぎった。
「さて、誰に言われてここに来た」
漏瑚の頭を左足で踏みながら、見下ろす。虎杖は思った。これが呪術師最強。生き物としての格が違う、と。
「あーあ、どうする?助ける?」
崖の上に夏油と花御が、今までの様子を眺めていた。
「私は高専関係者に、顔を見られるわけにはいかないから、ここで帰らせてもらうよ。助けたいなら、助ければいいさ。君達にそんな情があるかは知らないけどね」
花御は漏瑚を助けに行った。
「命令されて動くタイプじゃないか…。僕を殺すと何かいいことがあるのかな。どちらにせよ、相手は誰だ?早く言えよ、祓うぞ。言っても祓うけど」
オラオラやっちゃうぞ、と五条がオラつく。
「っていうか、呪いって会話できんだね」
「うん、できるよ」
ロロは親指を立てて答える。その時、五条の足元に花が突き刺さる。一瞬で一面お花畑になり、ロロ達はほっこりする。戦意が削がれた五条が自分の頬を叩く。その間に、花御が漏瑚を連れて去る。ロロ達の前には呪霊がいて、虎杖は足を掴まれて宙吊りになる。鬼のお面をつけたロロは、虎杖の分の呪霊を倒して五条を見る。どうやら逃げられたようだ。花御は気配を消すのが上手いみたいだ。
「悟、どうする?」
「んー、このレベルの呪霊が徒党を組んでるのか。楽しくなってきたねぇ」
確かに、これからが楽しみだ。五条の指導で虎杖はもっと強くなる。そう考えると人間の成長はやはりいいと、ロロは鬼のお面を口元に当てて笑った。