第13章 映画鑑賞
「でもでも!それなら俺もうできるぜ!!あの時、なんとなくコツは掴んだ」
「じゃあ、やってごらん。どうせできないから。ココに打ち込んで」
「ケガしても知んないよ?」
「いいから、はよはよ」
パン!虎杖のパンチを五条が右手で受け止める。
「篭もってなかったね、呪力」
「なんで!?」
「呪力の源は負の感情。君の言う『あの時』は怒りや恐怖に満ち溢れていたんだろう」
「あ!!呪力を使う時は常にブチ切れてなきゃいけねーのか!!確かに伏黒もいつもキレ気味だったかも」
「違うよ」
「プッ」
虎杖と五条はロロの方を見る。ロロは鬼のお面を顔にかざして笑いを堪えていた。
「まぁ、皆わずかな感情の火種から呪力を捻出する訓練をしてるんだ。逆に大きく感情が振れた時、呪力を無駄遣いしない様にもね。訓練方法はいくつかあるけど、悠仁にはかなりしんどいのやってもらうよ」
「ど…どんな?」
「映画鑑賞」
「映画鑑賞??」
「そ。名作からC級ホラー、地雷のフランス映画まで。起きてる間はブッ通しでだ。勿論、ただ観るだけじゃないよ。コイツと一緒に観るんだ」
そう言うと、五条が取り出したのは夜蛾学長特製の呪骸、ツカモトだった。
「懐かしい〜、ツカモトだぁ」
五条からツカモトを奪うと、ロロはギュッとツカモトを抱きしめた。
「懐かしい…?」
虎杖は首を傾げた。あ、やばい。虎杖にツカモトを渡すと、ロロは吹けない口笛をふいて誤魔化す。
「…で?全然要領得ないんだけど」
「焦らない、焦らない。そろそろだよ」
先程まで寝ていたツカモトが目を覚まして、虎杖の顎に右ストレートを入る。ツカモトは一定の呪力を流し続けないと、目を覚まして襲ってくるのだ。
「さっきも言った通りここには色んな映画が揃ってるから、ドキドキ、ハラハラ、ワックワック泣けて笑えて胸糞悪くなれる。まずは、その呪骸を起こさず映画を1本無傷で観通すこと。これが、どんな感情下でも一定の呪力出力を保つ訓練。多過ぎても少な過ぎても駄目だよ」
試しに虎杖がツカモトに呪力を流し込んでみる。気を抜きたくても抜けない状態になった。何から観る?ある映画のネタバレをしながら五条が尋ねてきた。
「最初はアクショ、ン"」
ツカモトの拳が虎杖の顔面にクリンヒットする。イライラしても呪力は一定に。