第12章 邁進
「ちょっと君達、もう始めるけどそこで見てるつもりか?」
家入がそう言った瞬間、虎杖が上半身を起こした。ロロと五条と伊地知はポカンとする。
「おわっ!!フルチンじゃん!!」
動揺する伊地知と正反対に五条はクククッと笑う。ロロは口元を鬼のお面で隠して、ニヤつく。
「悠仁!おかえり!!」
「オッス、ただいま!!」
五条と虎杖がハイタッチをした。
「兄者、やはりこの世界は楽しいよ」
ロロはポツリと惣闇にそう伝えた。
虎杖を最低限の力をつけるために、五条が交流会まで記録上死亡のままにしてほしいと家入に頼む。何故そうしたかというと、何人たりとも若人から青春を取り上げるなんて許されてないからだそうだ。
「近接戦闘に関しては悠仁は頭一つ抜けていると思うよ。今覚えるべきは、呪力の制御。そして、呪術に関する最低限の知識だね」
場所を移して、五条の修業が始まった。ロロは楽しそうだからついてきたみたいだ。
「ではまず、あちらの缶ジュースをご覧ください」
机の上に置かれた2本の缶ジュース。パカァン、ベキベキと変形していく。
「こっちが『呪力』で、こっちが『術式』」
「成程、分からん」
「うーんそうだね。『呪力』を『電気』。『術式』を『家電』に例えようか。『電気』だけじゃ、ちょっと使い勝手悪いでしょ。だから『家電』に『電気』を流して様々な効果を得るわけ。こっちはただ『呪力』をぶつけただけ。こっちは『呪力』を『術式』に流して、発動させた呪術で捻ったの」
「つまり!!これからチョベリグな術式を身につけると!!」
「いや、悠仁は呪術使えないよ。簡単な式神とか結界術は別として、基本的に術式は生まれながら体に刻まれてるものだ。だから、呪術師の実力は才能がほぼ8割って感じなんだよねー」
自分に才能がないことを知った虎杖は、床に大の字に寝転ぶ。今は使えないだけ。そのうち虎杖の体には宿儺の術式が刻まれる。そう踏んだ五条はニヤリと笑う。
「できないことはガン無視してこ!!君の長所を更に伸ばす。悠仁の体術に呪力を上乗せするんだ。下手な呪術よりもこういう基礎でゴリ押しされた方が僕は怖いよ。さっきも言ったけど、肉弾戦の才能はピカイチだからね」
その言葉に虎杖が顔を上げた。