第10章 雨後
「夏油、儂は宿儺の指何本分の強さだ?」
「甘く見積もって8、9本分ってとこかな」
「充分。獄門疆を儂にくれ!!蒐集に加える。その代わり、五条悟は儂が殺す」
話し合いが終わり漏瑚は五条を探しに行った。
五条に呼ばれたロロは霊安室に向かっていた。割れたシーサーのお面をくっつけたり離したりしながら歩く。着くと、何故か五条が新しいお面を持っていた。屋台で売っている鬼のお面だ。ロロは五条にお礼を言う。これで惣闇と連絡がとれる。
「僕はさ、性格悪いんだよね」
「知ってる」
「知ってます」
「伊地知、後でマジビンタ。教師なんて柄じゃないそんな僕が、なんで高専で教鞭をとっているか、聞いて」
「なんでですか…?」
「夢があるんだ」
「夢…ですか」
「そっ。悠仁のことでも分かる通り、上層部は呪術界の魔窟。保身馬鹿、世襲馬鹿、高慢馬鹿、ただの馬鹿。腐ったミカンのバーゲンセール。そんなクソ呪術界をリセットする。上の連中を皆殺しにするのは簡単だ。でもそれじゃ、首がすげ替わるだけで変革は起きない。そんなやり方じゃ誰も付いて来ないしね。だから僕は教育を選んだんだ。強く聡い仲間を育てることを」
ロロは座っている五条の頭を撫でた。やはり人間は面白くて良い。
「そんなわけで自分の任務を生徒に投げることもある」
愛のムチと言っているが、ただサボりたいだけだなとロロと伊地知はそう思う。
「皆、優秀だよ。特に3年、秤。2年、乙骨。彼らは僕に並ぶ術師になる」
虎杖もその1人だったのだ。五条は拳を強く握り締めた。