第9章 呪胎戴天
特級は下半身に纏っていた布を破いて、ふんどし姿になった。左手の止血をする為に、虎杖はベルトを強く巻いた。特級が呪力のバリアを放ってきて、虎杖は吹っ飛び壁にめり込んだ。痛みで顔が歪むが、そんなことお構いなしに特級が次の攻撃を仕掛けてくる。もろに食らった虎杖は倒れ込む。また、呪力のバリアを出してきたので、それを受け止めようと虎杖は両手を前に出す。
「ぐ…う"ぅ。う"う"う"う"!!」
指がジュグジュクに壊れていく。
痛い。痛い。痛い。
辛い。辛い。辛い。
あの時、指なんて拾わなければ喰わなければ!!あの時!!あの時!!
やめろ!!考えるな!!
嫌だ!!もう嫌だ!!逃げたい!!逃げたい!!
死にたくない!!ここで死んで!!死んだとして!!それは『正しい死』か!?
考えるな!!!
「あ"ぁああ」
虎杖はこの出来事で悟った。自分が弱いことを。また吹き飛ばされて、壁にあたる。
「自惚れてた。俺は強いと思ってた。死に時を選べる位には強いと思ってたんだ。でも違った。俺は弱い。あ"ー!!死にたくねぇ!!嫌だ!!嫌だぁ!!でも…、死ぬんだ…」
それでも、この死が正しかったと言える様に。ならば、憎悪も恐怖も後悔も、全て出し切れ。拳にのせろ!!
パシッと拳を受け止められてしまった。
「クソッ!!」
「アオーォォン」
玉犬の遠吠えが聞こえた。伏黒からの合図だ。無事、釘崎を見つけて脱出できたのだ。
「つくづく忌ま忌ましい小僧だ」
虎杖は宿儺と代わった。