第2章 前世
「縛りをつくる?」
「そうだ。人間の生活を堪能したいんだろ?なら、鬼の力は邪魔になるが、あると何かと役に立つ」
持ち場に帰って来た夜叉椿と惣闇は、どうしたら夜叉椿が楽しく人間生活ができるかを話し合っていた。
「例えば、面に鬼の力を封じ込めて、使う時だけ面をつけるとか」
惣闇が地面に絵を描いて、夜叉椿に分かりやすく説明する。
「それいいね!採用!」
提案はほぼ惣闇が述べたことで決まった。あとは短冊に書くだけだ。
「ねぇ、兄者も人間になろうよ」
「興味ない」
「えー、きっと楽しいよ?人間になったら、恋をしてみたいな〜。子供も欲しいし〜」
ウキウキ気分の夜叉椿に対し、惣闇は少し寂しい気分になった。ずっと一緒にいるのだからあたり前だ。
「兄者、書けたよ」
短冊ビッシリに文字を書いたのを惣闇に見せると、短冊が眩く光り出した。
「じゃあね、兄者!」
「ああ、楽しんで来いよ」
ブンブンと手を振る夜叉椿に、惣闇は手を上げて返す。短冊の能力で、夜叉椿は人間に転生した。