第7章 自分のために
「とりあえず、ロロと悠仁はこれから学長と面談ね。下手打つと入学拒否られるから気張ってね」
10年経っているから、学長は夜蛾になっている可能性が高い。五条に尋ねると、正解と返ってきた。
「なんだ。貴様が頭ではないのか。力以外の序列はつまらんな」
虎杖の左頬から口が現れて、そう言う。虎杖がすかさず左頬を叩く。
「悪ぃ先生。たまに出てくんだ」
「愉快な体になったねぇ」
「貴様には借りがあるからな」
「あっ、また!!」
「小僧の体モノにしたら、真っ先に殺してやる」
「宿儺に狙われるなんて光栄だね」
「悟、宿儺って有名なの?」
「両面宿儺は腕が4本、顔が2つある仮想の鬼神。だが、そいつは実在した人間だよ。千年以上前の話だけどね。呪術全盛の時代、術師が総力をあげて彼に挑み敗れた。宿儺の名を冠し死後呪物として、時代を渡る屍蝋さえ僕らは消し去ることができなかった。紛うことなき呪いの王だ」
ロロは虎杖の手を握るとニコリと笑う。
「鬼住ロロです。以後お見知り置きを。宿儺」
戸惑う虎杖の目の下に宿儺の目が現れた。目を細めてロロを見ていたが、消えてしまった。
「遅いぞ、悟。8分遅刻だ」
建物の中に入ると、夜蛾が可愛い人形を作っていた。10年も経っているからやっぱり老けたな。先に虎杖が面接を受けることになった。虎杖を眺めながら、気になっていたことを五条に聞く。
「傑は元気?」
「…傑は僕が殺した」
五条はそれだけ言うと黙り込んでしまった。ロロもそれ以上聞くことはしなかった。多分だが、夏油が呪詛師になって五条と仲違いしたってところだろう。
「あ、まだお礼言ってなかったね。お面のことありがとう」
ロロはお面をぎゅっと抱きしめる。五条に頼んで正解だった。
虎杖の面談が終わり、次はロロの番になった。ロロはシーサーのお面をつける。
ポトリ、ポトリ
水墨画の椿が落ちる。鬼になったロロだが、すぐにお面を外す。
「私は強いから、弱い人達を守りたくてここにきました。守るっていっても限りがあるだろうけど、私が守れる範囲内なら人を助けたい」
「…合格だ」
夜蛾が冷や汗をかきながらそう言った。ロロは五条とハイタッチをする。