第5章 帰郷
「兄者、ただいま」
「ああ、おかえり」
ロロは帰って来た。惣闇のいる世界に。
「楽しかったか?」
「うん。楽しかった!人間はやっぱり面白いよ!もっと居たかったけど、今どういう状況?」
惣闇は地図を取り出して、ロロに説明をする。オーク族と獣人族、人間族が手を組んで村を奇襲したのだ。人間が絡んでいるので、惣闇はチラッとロロを見る。心配いらなかったみたいだ。ロロの顔は歓喜に満ちていた。
「次来るとしたら、3日後だと思う。すまない、椿。…椿?」
名前を呼んでも返事がない。試しにロロと呼ぶと反応があった。
「そんなに気に入ったのか、その名前」
「うん!綺麗な名前でしょ」
「そうか。これからはロロと呼ぶようにしよう」
嬉しそうにロロが惣闇に抱きついてきた。そんなロロの頭を撫でる。
3日後、惣闇の予想通り敵は現れた。
「さすが、兄者だね」
惣闇が村を守って、ロロは好きに暴れる作戦だ。
「さぁ、始めますか」
ロロは妖艶に笑う。
敵本部にまで辿り着いたロロは、自ら右の角を折った。そして不老不死なんて迷信はないことを宣言する。折った角を投げ捨てると、群がる敵にロロは心底軽蔑した。
「鏖殺だ」
弱い。敵が弱すぎる。早く、あの世界に戻りたいとロロは思った。だが、戦が終戦したのは、これから10年後のことだった。
10年後。オーク族と獣人族と人間族、鬼族の間に平和条約が結ばれた。
「兄者、早く早く!」
ロロはウキウキしていた。やっとあの世界に戻れるからだ。
「ロロ、そう焦るな。宴がまだ終わってないからだめだ」
「えー」
「明日まで辛抱しろ」
酒を飲みながら惣闇は言う。渋々、ロロもお酒を飲む。この兄妹は村では英雄になっていた。惣闇を見て、黄色い声を上げる村娘達。ロロは惣闇に抱きついて、べーっと舌を出して村娘達に見せつける。村娘達から反感を買うが、無視をする。
「ロロ、もう少しゆっくりしていってもいいんだぞ」
短冊を書いているロロを見ながら、惣闇は言う。
「兄者とまた別れるのは嫌だけど、早く向こうの世界に帰りたい」
書けた短冊が眩く光り出した。