第4章 懐玉
「ハイ、お疲れ。解散、解散」
「なんで、お前がここにいる」
「なんでって…。あぁ、そういう意味ね。五条悟は俺が殺した」
「そうか、死ね」
夏油は2体の呪霊を出す。
「薨星宮と忌庫は隠す結界。入口に見張りは置けない。扉の位置さえ分かっちまえばあとはザル。この時期から術師は忙しくなるし、今高専には蠅頭が溢れている。外はてんやわんやさ。呪力のない俺は透明人間みたいなもんだ。でも1つ、問題があってな。俺が呪具を持つと呪具の呪力で、透明人間じゃなくなっちまう」
夏油は虹龍を放つ。
「焦んなよ」
甚爾が夏油に向けて拳銃で撃つが、呪霊で防がれてしまう。虹龍を避けて、場所をかえた甚爾は話の続きをする。
「俺は物を格納できる呪霊を飼っててな。呪具はそっちに入れて持ち歩いてる。皆まで言うな。それじゃ今度は呪霊の呪力で、透明じゃなくなっちまうってんだろ」
お"ぇ"っと何かを吐き出した甚爾。
「呪霊に自らの体を格納させて、サイズをおとす。それを俺の腹の中にしまう。透明人間は臓物まで透明だろ?これで俺はあらゆる呪具を携帯したまま、結界を素通りできる。はじめに呪具を使用しなかったのは、そういうことだ。六眼相手の奇襲は、透明なままじゃねぇと意味ないからな。星漿体を先に殺ってもよかったんだか、六眼の視界に入るのはリスクが」
「もういい。天与呪縛だろ?術師と同様に情報の開示が、能力の底上げになることは知っている。私が聞きたいのはそこじゃない。何故、薨星宮へ続く扉が分かった。私達は毛程も残穢を残さなかった」
「人間が残す痕跡は残穢だけじゃねぇ。臭跡、足跡。五感も呪縛で底上げされてんだよ」
「悟と一緒にいた子と、途中に女性が1人いたハズだ。彼女達はどうした」
「ん?あぁ、あの鬼の面の奴か。生きてるはずだ。メイドは多分死んでる」
ロロが生きている。だが、黒井が亡くなったみたいだ。
「そうかやはりオマエは、死ね」
虹龍をまた放つが、甚爾が呪具の刀で真っ二つにする。
「ねぇ。わた、わタ、わたしきれい?」
仮想怨霊。質問に答えるまでお互いに不可侵を強制する簡易領域だ。
「あー、そうだな。ここはあえて、趣味じゃねぇ」
攻撃を受けるが、天逆鉾で弾き返す。夏油が甚爾の背後をとった。