第4章 懐玉
「飛行中に天内の賞金期限が切れた方がいいっしょ」
「悟。昨日から術式を解いてないな。睡眠もだ。今晩も寝るつもりないだろ。本当に高専に戻らなくて、大丈夫か?」
夏油は五条に聞こえる声で話す。
「問題ねぇよ。桃鉄99年やった時の方が、しんどかったわ。それに、お前もいる」
あとオマケもいるしな、って五条はロロを眺める。お面をつければ、はるかに五条よりも強くなる。自分より強いのは悔しいが、何かあればロロもいる。
ロロ達は観光を楽しんだ。カヌーに乗ったり、水族館に行ったり、五条がシーサーのお面を買ってきて、ロロのマネをしたりとか。そのシーサーのお面はロロの予備のお面になった。
護衛3日目、同化当日。ロロ達は高専の結界内まで来ていた。
「悟、本当にお疲れ」
「お疲れ様」
「二度とごめんだ。ガキのお守りは」
そう言うと、五条は術式を解いた。
トスッ
突然甚爾が現れて、五条を後ろから刺した。
「アンタ、どっかで会ったか?」
「気にすんな。俺も苦手だ。男の名前覚えんのは」
ロロはお面をつけようとしたが、甚爾がナイフを投げてきてお面に刺さる。急いでナイフを取ろうとするが、取れない。五条が術式で甚爾を飛ばすと、夏油の呪霊が甚爾を喰べる。
「悟!!」
「問題ない。術式は間に合わなかったけど、内臓は避けたしその後呪力で強化して、刃をどこにも引かせなかった。ニットのセーターに安全ピン通したみたいなもんだよ。マジで問題ない」
お面に刺さったナイフを五条がのけてやる。
「天内優先。アイツの相手はロロと俺がする。傑達は先に、天元様の所へ行ってくれ」
「油断するなよ」
「誰に言ってんだよ」
「よくも、兄者を傷つけたな…」
穴が空いたお面を見て、プルプルと肩を震わせながロロは激怒する。
ポト、ポト
水墨画の椿が落ちる。ロロは鬼になった。甚爾が呪霊の中から出てきた。