第29章 起首雷同
「よかった。皆、無事のようね」
ロロは虎杖達の前に降り立った。夜叉椿の姿で。
「え、ロロなの!?」
釘崎はロロを指差す。
「そうだよ。時間がないから単刀直入に言うと、私、この世界の人間じゃないの」
伏黒と釘崎は疑問符を浮かべた。
「鬼住、いいのかよ、話して」
「いいの。2人には知っててもらいたいから」
五条達に話たことと同じことを伏黒と釘崎に言う。2人は真剣に話を聞いてくれた。
「そういうことだから、また後でね」
5分経った。ロロはそう言うと、倒れる。それを虎杖が受け止める。ロロは寝てしまった。
「ちょっと、アンタ知ってたの!?」
「知ってた。交流会の前に教えてくれた」
虎杖はロロをおんぶする。
「それにしても、宿儺の指持って寝こけるなよ」
「なんで、指のこと知ってんだよ」
「それ聞く余裕ある?」
「ねぇ」
伏黒は頭を掻いた。
「俺、食べようか?」
「残飯じゃねーんだよ」
「オマエの指のキャパはハッキリ分かってねぇんだ。食うな。でも、一番元気そうなオマエに渡す。念を押すが食うなよ」
伏黒の手から虎杖の手に渡るその時、グパッ、と宿儺の口が現れ指を食べてしまう。
『食うなっつったろ!!』
「え、俺ぇ!?コイツ…、マジで!!今回もろくに働かねぇし!!」
虎杖は宿儺の口が出てきた手を眺める。ロロ達をやっと見つけた新田が、橋の上から叫ぶ。何も言わずに出てきたから、かなりのお怒りだ。
「じゃ、帰るか」
虎杖達は来た道を歩いて帰った。
アジトに帰ってきた鬼哭羅は、焦っていた。
「クソッ、傷が治らねぇ」
「あーあ、魂の方も半分削られているよ」
真人が興味津々にそう言う。
「クソッ、夜叉椿め…」
「ねぇ、夏油。治す方法ないの?」
「あることはあるけど、あまりオススメはしないよ」
偽夏油は、術式で呪霊を1体出した。手のひらサイズの呪霊だ。
「これは、蠢蟲(しゅんちゅう)て言ってね。呪霊に寄生する呪霊なんだ。これを体内に取り込めば、損傷した部位を修復してくれる。ただし、蠢蟲とは一心同体になる。蠢蟲自体には害はないが、寿命が問題でね」
「問題?」
真人が首を傾げる。