第29章 起首雷同
結界の外に出ると、壊相と釘崎がいた。
「みっ、みっ、みっ、見たなぁああ!!?」
出た場所が壊相の背中が見える所だった。血涙を流す不気味な顔があり、背中を見られることがコンプレックスだったらしく、壊相は激怒した。
「鬼哭羅!?」
「よう、夜叉椿」
岩に座る鬼哭羅と目が合った。鬼哭羅は立ち上がると、拳を叩き込む。ロロは後退した。
「鬼住!」
「コイツの相手は私がする」
「おい、そういうことだ。テメェらはソイツらと遊べ」
鬼哭羅はそう言うと、ロロの首根っこを掴む。
「なっ!?」
鬼のお面を付けているのに、気づけなかった。
「ここは狭い。向こう行くぞ」
移動して、鬼哭羅は木々を薙ぎ倒す。広くなった場所にロロが降ろされる。ロロは鬼哭羅から距離をとる。
「夜叉椿、テメェはいつ強くなる?」
「…今でも強い方だけど」
「力が6割しか出せねぇテメェが、強いだと?」
鬼哭羅が鼻で笑う。
「強ぇなら」
鬼哭羅は瞬時にロロの間合いを詰めて、鬼のお面を真っ二つにする。
「俺のスピードについてこれるだろ」
「…っ!」
鬼のお面が顔から落ちる。
「教えてやる。夜叉椿、テメェは弱い」
「…私が弱い…?」
そんなこと言われたことなかった。自分には関係ないことと思っていた。しかし、今の状況ならそれが当てはまる。
「…フ、ハハハッ!」
ロロは真っ二つになった鬼のお面を触る。
「やっぱりこの設定にして正解だよ。兄者。私より強い奴が現れた。…楽しいなぁ」
ゾクッ。鬼哭羅は身構える。何だ、今のは?鬼のお面が割れてただの人間になった奴が出す、気配じゃない。ロロはゆっくりと目を閉じて、目を開けた。宿儺の生得領域にいた。
「今は凄く気分がいい。許可しよう」
「ありがとう、宿儺」
生得領域から出たロロは、割れた鬼のお面を顔に付ける。
「領域展開『鬼神顕現』」
ポト、ポトリ。水墨画で描かれた巨大な椿の木が現れた。鬼哭羅は周りを見渡し、ニヤリと笑った。
「骸牙」
いつの間にか懐に入られていた。気づいた時には、鬼哭羅の右半分が吹き飛んでいた。
「何だ、オマエ弱いな」
ロロはガッカリした。鬼哭羅に興味がなくなった。虎杖達が合流している。そちらに向かう。