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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎 冨岡義勇★R18

第102章 刀鍛冶の里での罠〜時透無一郎 冨岡義勇【R強】


今回、宿は二部屋取っていた。美月が一部屋、そして自分とゆきが同じ部屋。

それなのに、美月は当然のように自分たちの部屋に入り浸り、読書をする無一郎のすぐ隣で、触れ合いそうなほど距離を詰めて座っている。

「無一郎様といると、私、本当に安心します」

そう言って向けられる無一郎への純粋な好意。

無一郎もそれを分かっているからこそ、邪険に突き放すことができない。

けれど、心はどこか冷ややかに、ただ残してきた、愛しい婚約者ゆきの姿を追いかけていた…。

…ゆき…どこにいるの? どうして戻ってこないの?

本に目を落としながらも、文字など一切頭に入ってこない。

ただ胸を焦がすのは、自分が傷つけてしまった最愛の人への、狂おしいほどの恋しさと後悔だった。

その時、静寂を破って、勢いよく襖が開いた。

「……」

入ってきたのは、肩を小さく震わせたゆきだった。

けれど、彼女が目にしたのは、夜の部屋でやけに近くに寄り添い合う、無一郎と美月の姿…

ゆきの瞳が動揺し揺れる…。

叩かれた頬はまだ淡く赤みを帯び、その瞳は今にも零れ落ちそうな涙で潤んでいた。

「あ…ごめんなさい」

消え入りそうな声で呟き、ゆきはすぐに襖を閉めて背を向けてしまった。

「ゆき…!」

すぐに、襖を開き呼び止めた…

「私が、隣の美月さんの部屋を使うから二人はこの部屋を使って」

「何言ってるの?」

ゆきは、もう止まらなかった…

「私は明日もう帰る…しばらくゆっくり二人でここで、過ごしてきて…」

無一郎は、困惑する…

「この部屋は君と僕の部屋だよ」

「簪を隠した意地悪な私と無一郎くんは一緒に過ごしたいの?嫌でしょ?だから私は隣の部屋を使うから」

ピシャリと襖は閉じて、ゆきは隣の部屋へ行ってしまった。

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