第102章 刀鍛冶の里での罠〜時透無一郎 冨岡義勇【R強】
無一郎は、すぐにゆきの唇を奪った。
激しく絡められる舌にゆきは息が続かず、抵抗して藻掻いていた身体も苦しさで次第に力を失っていく。
気を失う寸前で、ようやく無一郎は舌を引いた。
唾液の糸が引きちぎれ、脱衣所の冷たい空気が二人の間に流れ込む。
ここは混浴の温泉。いつ誰が入ってきてもおかしくない、開かれた場所だ。
ゆきは荒い呼吸の隙間から必死に声を絞り出した。
「やめて…、人が、来ちゃう…」
じっと見つめるゆきに、無一郎はいつもと変わらない、無表情で答える。
「やめないよ。君にはお仕置きが必要だから」
その冷たい言葉とは裏腹に、ゆきを拘束する無一郎の腕はかすかに震えていた。
ついカッとなり、この愛おしい頬を叩いてしまったことへの激しい後悔。
無一郎は再びゆきの唇を塞いだ。
今度はさっきのような乱暴さはなく優しく、深く、確かめるような口づけだった。
密着した素肌から、無一郎の狂おしいほどの心臓の音が直接伝わってくる。
「明日帰れないよ?ここで僕の刀の調整が終わるまで駄目だからね」
そう言って拘束を解いてくれた。
「部屋だけど美月に、隣に移ってもらったから君は僕と寝るから。」
無一郎は、手際よく浴衣に着替えながら言葉を続ける。
「今夜はお仕置きだからね。朝まで寝れないよ」
「お仕置き」という言葉の響きに心臓が跳ね上がる。
無一郎は帯を締め終えると、ゆきを振り返り、指先でそっと濡れた唇をなぞった。
「ほら、早く着替えて。風邪ひいちゃうから、それに君が言うように人が来ちゃうかもしれないよ。」
抵抗する気力すら奪われた身体は、言われるがまま浴衣に袖を通すしかなかった。
二人は、温泉の脱衣場を後にした
無一郎は、ゆきの手を引き静まり返った廊下を歩き、ようやく着いた部屋の襖を開ける。
そこには、すでに二つの布団が隙間なく並べられていた。逃げ場のない空間。
無一郎はゆきの腕を引き、引き寄せるように布団へと押し倒す。
見下ろしてくる無一郎くんが、いつもと違う人に感じられ身体が強張る…。
「じゃあ…始めよっか…」