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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎 冨岡義勇★R18

第110章 身体の異変〜冨岡義勇【R強】


「大丈夫か?」

「は、はい…」

胸のつかえが限界を迎え、ゆきは先ほど食べたばかりの果物を水桶へとすべて吐き出してしまった。

片付けようとテキパキと動く義勇の背中を見つめながら、ゆきは申し訳なさで胸が押し潰されそうになる。

「あの…義勇さん、ごめんなさい。私なんかのために、こんなことまでさせちゃって…」

水桶を廊下へ片付け、戻ってきた義勇は、濡れた手拭いでゆきの汚れた口元を優しく拭ってくれた。

「気にするな。俺がしっかりお前を見てやる。体調が落ち着くまで、ここに泊まり込むつもりだ」

その力強い言葉に、ゆきは大きく目を見開く。

しかし、音沙汰のない無一郎への不安と、己の体を蝕む原因不明の病への恐怖から、限界を迎えていたゆきには、差し伸べられたその温もりがあまりにも眩しかった。

誰かに縋りたい…。

そんな切実な想いが理性を溶かし、ゆきは思わず目の前にある義勇の羽織の裾を、ぎゅっと強く握りしめた。

「柱の仕事もあるのに…ごめんなさい…。だけど…お願いします…。」

『お願いします』と聞いた瞬間、義勇の表情がパッと明るくなった。

心の底からの安堵と、愛おしさが入り混じったその顔つきに、ゆきはわずかな戸惑いを覚えつつも、どこか深く救われた心地がした。

「ああ、任せろ。少し気分が良くなったら、庭の空気でも吸いに行こう」

義勇さんは、なんて優しいんだろう。今の私には、この優しさだけが救いになっている…。

感謝しかないよ、義勇さん…。

けれども、脳裏に掠めるのはもう一人の名前。

無一郎くん…

どうして私に手紙をくれないの?

私が送った手紙の返事すら、どうしてないの?

淋しくて、淋しくて、もう本当に死んじゃいそうだよ。

行き場のない想いが胸を締め付け、ゆきは義勇の羽織をさらにギュッと握った。

幸が言うように…ゆきは、本当に腹の中に俺の子がいるのであろう…か?

あの嵐の夜に、何度も抱いたのは事実だ。

俺はゆきの中で、何度も果てた…。

だが、あいつはそれを知らない…

時透は、任務に出ていてゆきを抱く事は出来ない…。

では、確実に俺とゆきの子なのか?

この事実を知ったらゆきは、俺を軽蔑するのだろうか…


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