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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎 冨岡義勇★R18

第110章 身体の異変〜冨岡義勇【R強】


幸は、不安に震えるゆきの手をそっと包み込み、優しく微笑んだ。

しかし妊娠という事実を告げなかった。

持参した果物を切り分けて食べさせ、心を何とか落ち着かせた。

しばらくして、ゆきは安心感からうとうとと眠りについた。

幸は「残りの果物を隠に渡してきますね」と言い残し、静かに部屋を出ていった。

薄暗い室内に、ゆきと義勇の二人きり取り残される。

青白い顔をしたゆきが、うっすらと目を開け、かすれた、消え入りそうな声で呟いた。

「…義勇さん。無一郎くんの近況とか、何か聞いてますか?」

「いや…美月の実家で、任務遂行中としか…」

「そうですか」

「私…無一郎くんが帰ってくる前に…死んじゃったらどうしよう」

そのあまりに弱々しい言葉に、義勇は衝動を抑えきれず、思わず覆い被さり抱きしめていた。

「違う! お前は病などではない! 」

そう告げると、義勇は身を起こし、震えるゆきの頬に両手をそっと添えた。

「ゆき……何の音沙汰もない時透との婚約を解消して…俺と一緒にならないか?」

突然の言葉に、ゆきは驚き、身体を起こした。

二人は向かい合うように布団の上に座る。

「何を言うんですか? 私は無一郎くんのものです。義勇さんとは、もう何も、ないんです…」

「何も無くなどない」

義勇は、逃がさぬようにゆきの両手首を強く、握りしめた。

「い、痛いです…!」

思いがけない力の強さに身をよじると、義勇は絞り出す声で言った。

「俺たちの間には、確かなものがあったはずだ。いや…確かなものが出来たんだ…。何も無くなど…ない。何も無いなんて言わないでくれ」

「何のことですか…? 私はもう、義勇さんの継子でもないんですよ?」

ゆきは激しい困惑に胸を痛めた。

つい最近まで自分と目も合わせず、素っ気ない態度をとっていた義勇。

警備を兼ねてこの道場に通うのにさえ嫌気が差したのだと、ゆきはずっと勘違いしていた。

最近その蟠りが解け、ようやく以前のような穏やかな、関係に戻れたと思っていた矢先のこの義勇の言葉に、ゆきの気持ちが追いつかない…。

その時、またもやゆきは気持ち悪くなり口元を押さえた。

それに気付き水桶を用意し義勇は、背中を擦った。
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