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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎 冨岡義勇★R18

第110章 身体の異変〜冨岡義勇【R強】


翌日、義勇と幸は街でみずみずしい果物を数多く買い求め、ゆきの待つ屋敷へと急ぎ足で向かっていた。

それは、幸から「つわりで苦しんでいるなら、さっぱりした果物でも持って行きましょう」と助言を受けたからだった。

二人は屋敷に到着するやいなや、道場へは向かわず、ゆきのいる部屋へと真っ直ぐ足を向けた。

しかし、廊下の途中で屋敷を警護する隠にピタリと進路を塞がれた。

「お待ちください、富岡様。…実は、ゆき様が本日も体調を酷く崩されており、起き上がれずにお休みになられているのです」

その言葉に胸を突かれたのは義勇だけではなかった。

すかさず幸が前に出ると、真剣な眼差しで隠に告げた。

「私に一度、様子を診させてください。医術の心得があります」

突然の申し出に、隠は戸惑いの色を浮かべながら、背後に立つ義勇の顔をそっと窺った。

柱である富岡からの無言の圧力と必死な頼み。拒絶できるはずもなかった。

「…こいつは確かな医術の心得を持っている。俺からも頼む、通してくれ」

「はっ…かしこまりました」

隠に案内され、重々しい空気の漂う廊下を進み、ゆきの部屋の前にたどり着く。静かに襖を開けると、そこには布団に横たわるゆきの姿があった。

枕元には、いつもどしてもいいようにと水桶が用意されており、その光景が生々しく現実を突きつける。

顔の血の気が引き、青白くやつれきったゆきの顔を見た瞬間、義勇の胸は激しく痛み、罪悪感でいっぱいになった。

震える手で買い求めた果物の包みを握りしめ、義勇は押し寄せる後悔と苦悩に耐えながら、静かにゆきと歩み寄った。

その時ゆきが、二人に気付き身体を起こした。

幸がゆきの背中を支えた。

「大丈夫ですか?吐き気はどうですか?」

「今日は、ずっと横になっていたので少しましです。」

消え入りそうな声でゆきは、答えた。

「幸さん…私は何か悪い病なのでしょうか…?」

幸が、ニコッとして答えた。

「大丈夫ですよ。悪い病ではないてすよ。」

「では、この吐き気と目眩は一体…」

泣きそうな声でゆきは、幸に質問した。


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