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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎 冨岡義勇★R18

第109章 妖しい三人の夜〜冨岡義勇【R強強】


「駄目に決まっているだろ!」

語気荒く放たれた義勇の言葉に、ゆきは怯むことなく言葉を返す。

「幸さんは、私を妹さんと重ねているだけなんです、きっと」

「駄目だ」

義勇はゆきの手首を引き寄せると、勢いよくその体を抱きしめた。

「義勇さん…?」

彼から溢れ出す尋常でない気迫に圧倒され、ゆきは思わず息を呑んだ。

「…分かりました」

ゆきが諦めたように小さく頷くと、義勇は安心した様子で、静かに腕の力を緩めた。

引き寄せていた体を解放しながらも、本当はもっと抱きしめたままでいたかったと義勇は思った。

ゆきは胸の動悸を悟られぬよう、そっと問いかける。

「あの…義勇さん。ところで無一郎くんは、任務先で元気にしているのでしょうか?」

「あぁ。今朝、鎹鴉が伝達に来た。鬼がなかなか尻尾を出さないらしく、しばらくあちらにある美月の実家で暮らすそうだ」

その言葉を聞いた瞬間、ゆきの表情が一気に曇った。

「…そうですか」

ーーー

結局、幸は一人でお風呂へ向かうことになった。

外の嵐は勢いを増し、窓や戸をカタカタと激しく鳴らし続けている。

まるでゆきの心の中のようだった。

胸の奥に渦巻くモヤモヤとした苦しさは、時間が経ても増すばかりだ。

ゆきは、熱を持った体を冷まそうと、湯上がりに水を求めて台所へ立ち寄ると、そこには先客がいた。

「あっ…ゆきさん。喉、乾いてますか? これ、飲みます?」

柔らかい笑みを浮かべた幸から差し出されたコップ。

それをもらう前にゆきは、幸に謝った。

「背中を流せなくてごめんなさい。」

「気にしないでください。さぁ飲んで…」

ゆきはそれを冷たい水だと疑いもせず、一気に飲み干した。

「えっ……?」

喉を通った直後、お腹の底から焼けつくような熱が湧き上がり、全身の血が激しく巡り始める。

水ではない……そう気づいた時には、すでに視界がぐらりと揺れ始めていた。

ーーー

義勇は、湯上がり廊下を部屋に向かい歩いていた。

台所の方から何やら話し声が聞こえてくる…。

「ゆきさん、大丈夫?」

「う〜ん…まだ、飲める…」

その声が、お酒に酔ったゆきだと義勇はすぐに気が付いた。


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