第107章 足の怪我〜時透無一郎【R強強】冨岡義勇【R微】
ゆきの部屋に、ほんのりと湯の香りを纏った無一郎が戻ってきた。
急いで上がってきてくれたのだろう、水滴を滴らせる黒髪が濡れたまま肩に落ちている。
明日から始まる任務…次に会えるのがいつになるかもわからない、途方もない恐怖と寂しさ。
言葉に出さずとも、ただ一刻でも長く側にいたいという無一郎の痛いほどの情熱が、その瞳から溢れ出していた。
「ゆき今夜は…一緒に、寝たいな」
誤魔化す術も知らない子供のように、無一郎は澄んだ眼差しでまっすぐに視線を重ねてくる…。
今夜は、素直な気持ちを真っ直ぐに、ぶつけてくる。
「…うん」
絞り出すようなゆきの返事を聞くと、無一郎はどこか安堵したように布団へと潜り込んだ。
ゆきも怪我をした足を気遣いながら、そっとその隣へと横たわる。
瞬間、無一郎の手腕がまわり、身体を引き寄せられた。
「おいで。…もっと、抱きしめたい」
正直驚いたが甘く優しい声に促されるまま身を委ねると、無一郎は腕の中で、ギュッと身体を抱きしめてきた。
濡れた髪から伝わる冷たさと、耳元で響く無一郎の熱い鼓動。
その対比が切なくて、胸がぎゅっと締め付けられる。
嫉妬や不安を隠すように強く回される腕からは、「手放したくない」という無言の執着が痛いほど伝わってきた。
「任務で居ない間も、僕の事ちゃんと思っていてね。僕も、君の事をちゃんと思っているから…」
髪に埋められた無一郎の顔から、熱い息が首筋に吹きかかる。
「任務は、美月と二人だけど安心してね…。」
無一郎は、そう言いながら顔をあげ、ゆきを真っ直ぐに見つめた。
唇が、ゆっくりと重なってくる…。
触れ合う唇…無一郎の舌が割れ目から中に侵入する…。次第に絡む舌が激しさを増す…
ゆきは、息ができず悶え始める…しかし無一郎は、止まらず唇を舌を味わい始めた。
ハァハァ…
やっと唇が、離れ酸素が入り込む
涙を浮かべて荒い呼吸をするゆきの涙を無一郎は、優しく拭う。
「苦しかった?ごめん…当分会えないのかと思うと止まらなくなっちゃってさ…」
無一郎は、ゆきの頬を撫でながらそのまま手をゆきの首筋鎖骨に滑らせた。
「いいよね?したい…いつ帰って来れるかわからないし…君が今欲しい…」