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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎 冨岡義勇★R18

第107章 足の怪我〜時透無一郎【R強強】冨岡義勇【R微】


翌朝、無一郎は美月と約束していた山での稽古へ行くべきか、深く頭を悩ませていた。

「ねぇ…ゆき。脚のこともあるし、今日も山じゃなくて道場での稽古にした方がいいよね?」

隣に正座した無一郎が、気まずそうに尋ねてくる。

昨夜、義勇の影に怯えて縋りついてきた姿とは一転、その瞳には罪悪感が揺れていた。

「大丈夫だよ。何かあっても、隠の人に手伝ってもらうから」

「でも…」

「美月さんに、稽古をつけてあげたいんでしょ?」

「そ、そんな事はないんだけど…その、約束はしちゃったから…」

「朝食の時にでも、山へ稽古に行きたいって言われたんでしょ?」

バツの悪そうな顔をして視線を落とす無一郎。

「…拗ねられちゃったんだ」

「無一郎くんは、結局…あの簪の件、どう解釈したの?」

静かな問いに無一郎の身体が固まる。

美月が「母の形見」と偽って罠を仕掛け、ゆきの部屋から出てきた簪。

当時の無一郎は美月を信じ込み、無実を訴えるゆきの頬を平手打ちしたのだ。

「それは…」

言葉を詰まらせた無一郎は、責め立てるような沈黙に耐えかねたように視線を逸らした。

「…ごめん、その話はまた今度にしよう」

核心から逃げるようにうやむやにする無一郎。

その時、障子の外から「無一郎様、稽古のお時間です!」と明るい美月の声が響いた。

無一郎が返事に躊躇していると、美月は遠慮もなく部屋の襖を開け、屈託のない笑顔で無一郎の腕に抱きついてきた。

「山での稽古、楽しみにしてたんです。 さあ、行きましょう?」

「あ…うん…」

戸惑いながらも強引な勢いに押し切られ、無一郎は立ち上がってしまう。

「行ってきて無一郎くん」

ゆきが、無一郎にそう言った。

去り際、チラリと振り返った無一郎の瞳には申し訳なさが見えたが、美月に引かれるまま部屋を出て行った。

無一郎くんが、わからない…昨日のあれは何だったの?

義勇さんに、私が奪われそうで怖いって言ってたのに…

美月に、気持ち揺れないでって言ったのに…

ゆきは、無一郎が先程まで折っていた折り紙を手に取る。

「紙飛行機かぁ…」

そう呟いて天井に、向かって飛ばした。




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