第107章 足の怪我〜時透無一郎【R強強】冨岡義勇【R微】
「今から傷口を確かめますね。…衣をめくることを、お許しください」
幸は虚ろな瞳のゆきの傍らに静かに腰を下ろすと、語りかける声は驚くほど優しく響いた。
そっと布団をめくり、帯へ手を伸ばす。
その触れ合いに、ゆきは薄れゆく意識の中で戸惑い、力なく幸の手首に指を重ねた。
「大丈夫ですよ。きちんと手当てをするために、寝間着を開きたいだけです」
幸の穏やかな眼差しに負けて、ゆきはそっと手を離した。
されるがままに衣が開かれていく。
それでもどこか恥ずかしさに胸元を隠そうとするゆきの手に、幸はくすりと小さな笑みを漏らした。
「本当に…どこまでも愛らしい方だ」
その声は甘く、熱っぽい。
幸の長くてしなやかな指先が、ゆきの露わになった太ももへ触れた。
肌を滑るようにゆるりと指は下っていき、細い足首を優しく掴む。
そのあまりに情熱的で丁寧な愛撫のような手つきに、ゆきの肌に甘い痺れが走った。
包帯をそっと解き、傷口を確認する幸の表情は、医術の知識を持つ者としての真剣さと、どこか甘い雰囲気が漂う。
「だいぶ熱を持っていますね…お辛かったでしょう」
手際よく消毒を済ませ、清潔な包帯を巻き直していく。
化膿止めを塗る指先はどこまでも繊細で、傷口を刺激しないよう細心の注意が払われていた。
「もう大丈夫ですよ。化膿止めも塗りましたから、じきに熱も引くはずです」
手当てを終えた幸は、まだ熱にうなされるゆきの額にそっと手をかざし、そのまま愛おしそうに頬を撫でた。
「…あのお二人には申し訳ないけれど。こうしてあなたを独り占めできるのは、私の役特ですね」
耳元で囁かれた低く甘い声。
義勇さんの新しく継子になった幸さん…とても綺麗で中性的な人…。
親切に、私の怪我の治療までしてくれる優しい人…
虚ろな目でゆきは、手を握り続けてくれる幸を見ながらそんな事を考えていた。
部屋の外では、まだかと無一郎が苛々をつのらせていた。