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鬼滅~甘い恋の話~時透無一郎 冨岡義勇★R18

第106章 義勇の新しい継子〜冨岡義勇 時透無一郎【R強】


ー無一郎の屋敷ではー

「もう、わかったよ。見ないから…あっち向いておく」

無一郎は、自分の善意を拒むゆきに苛々をつのらせていた。

お風呂に入れないゆきの体を拭いてやろうと、お湯を張った桶が部屋に運び込まれた。

固く絞った手拭いを手にした無一郎は、少し不機嫌そうに背を向ける。

その背中を確認し、ゆきは安堵の息を吐きながら泥で汚れた着物をそっと脱ぎ捨てる。

そして、慌てて大きめの布で身体を隠した。

「もういい? 脱いだ?」

「…うん」

無一郎は小さくため息をつくと振り返り、布の隙間からそっと手を差し入れた。

まずは背中から、手際よく肌を拭っていく。

「…隠す意味なんてあるの?」

淡々とした声とは裏腹に、手拭い越しに伝わるゆきの肌の柔らかさに、無一郎の心臓は跳ねていた。

ゆきに、触れるたびに胸の奥が煩いほど鳴っている。

手拭いがお腹から胸元へと差し掛かろうとしたその時、ゆきがそっと無一郎の手の上に自分の手を重ねて止めた。

「ここは…自分で拭くから」

重ねられた手の温もりと、頑なに自分を拒もうとするゆきの態度。

愛おしさと同時に、動揺を隠すための無性に腹立たしい感情が胸を満たしていく。

素直になれない苛立ちに任せ、思わず口走ってしまった。

「もう触ろうが見ようが、何も感じないから自意識過剰だよ君は。」

吐き捨てた言葉の冷たさに、ゆきの肩が小さく揺れる。

本当は違う。

触れれば触れるほど愛おしくて、溢れそうな鼓動を必死で殺しているのに。

動揺を悟られまいと、無一郎は重ねられた手をそっと振り払うと、意地を張るようにそのまま胸元へと手を滑り込ませた。

規則正しく打つゆきの脈拍を感じながら、無一郎は逃がさないようにゆきを強く引き寄せる。

「だから…余計な抵抗なんてしないで」

強がりな言葉とは裏腹に、耳元で吐き出された無一郎の息は、隠しきれない熱を帯びて震えている。

しかし…ゆきはそれには気づかない…。


気持ちを抑えつつ無一郎は、ゆきの体を拭き終える。新しい浴衣を彼女の隣に出した。

「お風呂に入ってくるから今のうちに着替えといて。」

無一郎は、高鳴る鼓動を抑えながら風呂場へ向かった。



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