• 小
  • 中
  • 大
  • テキストサイズ

《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第26章 痕跡 ✴︎




屋敷を出てからすぐ、
冨岡さんは私の手を取って歩き出した。




こんな風に手を繋ぎながら夜道を歩くなんて
もう二度と出来ないって思ってたけど…

手から伝わってくる冨岡さんの温もりが
夢じゃなく現実なんだって思わせてくれる。



私の手より大きくて、温かい冨岡さんの手は
繋ぐだけで穏やかな気持ちになれて落ち着く…


もう二度と、この温もりを失いたくない…。



そんな風に思った私は、繋いでいた手に無意識に力が入り、もちろんそれはすぐに冨岡さんに気付かれて
私の方へ視線を向けていた。






「すまない…、
同意も得ずに繋いでしまって…、不快だったか?」


『い、いえ!!
冨岡さんと手を繋げるなんて
嬉しい気持ちしかないです!!』

「ん…、そうか…」

『私…、またこんな風に
冨岡さんと触れ合えるとは思ってなかったし
さっき鍵を渡してくれたのも嬉し過ぎて…、
この間までは
辛過ぎて泣いてばっかりだったから
今こうしてるのが
夢を見てるのかなって思うくらい幸せなんです…。もう離れ離れになるのは嫌だなって考えてたら
無意識に力が入っちゃって……
…って、すみません!!
なんか長々と変な事を語っちゃって…!!』




正直に話し過ぎたせいで
ひょっとしたら引かれたかもしれない…、と思っていると、今度は冨岡さんが繋いでいる手に力を入れてくるのを感じた。






「俺がお前の手を取ったのも…同じような理由だ。」


『っ、え…?』


「一度は手放したが
俺の元に戻って来てくれたこと…、
未熟な俺を好きだと言ってくれたこと…、
今、が側にいてくれること…。

言葉では言い表せないほど嬉しいから
現実だと実感したくなり、気が付くとお前の手を握ってた。」




まさか冨岡さんが私と同じように
そんな事を思っていたなんて…、


凄く驚いたけど
好きな人と同じ事を考えてたのは
くすぐったくて照れ臭いけど…




『えへへっ…、何だか…すごく嬉しいです!』




自然に自分の顔が笑顔になって
私もギュッと強く手を握り返した。

/ 565ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp