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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第26章 痕跡 ✴︎




「そんなに泣かれたら、仕事に行けなくなる。」

『!?ご、ごめんなさいっ…
困らせちゃいましたよね…』

「そうだな…。
泣きながら喜ぶが可愛過ぎて…
このまま離れたくない。」

『えっ…、なっ…、えぇ…?』




冨岡さんの仕事の邪魔をしたくない私は
慌てて涙を拭い、驚きながらも身を離そうと体を動かしたけど…




ぎゅっ





『と、冨岡、さん…?』



私の体を抱きしめる腕の力が強くなって
離れる事ができなくなっていた。




『あの…、警備に行かれるんじゃ…』


「分かってる…。だがもう少しだけ…
…に触れていたい。」


『っ…』





抱き締められながら
耳から入って来る冨岡さんの甘い声に、体が硬直したように動かなくなって…

冨岡さんの温もりだけを感じることしか出来なかった。



そしてそのまま抱き締め続けられていると、冨岡さんは満足してくれたのか、私から身を離した。






「蝶屋敷まで送って行く。」

『え、大丈夫ですよ?1人で帰れますから。』

「いや、送る。
俺のせいで
お前の体に負担をかけてしまったから…、心配なんだ。」

『っ…。お、お気持ちは嬉しいんですけど
たくさん寝たから、体はもう本当に大丈夫で…』


「大丈夫でも、今日は送らせて欲しい。
それともは、俺と一緒にいるのは嫌か?
早く1人になりたければ無理強いはしないが…」


『嫌な訳ないです!!
むしろまだ一緒にいても足りないくらいで!!
っ…、』




否定した勢いで、つい本音を口にした私を
冨岡さんは目をぱちぱち、と瞬きしながら見つめていて…


自分で言ったことが恥ずかしくなった私は
顔を俯かせて黙っていると
頬に冨岡さんの手が添えられた。





「お前がそう思ってくれて…、嬉しい。」

『っ…』

「俺と共にいたいと望んでいるのなら
一緒に暮らすことを早く決断しろ。」


『は、はい…。
蝶屋敷に戻ったら、しのぶちゃんと話します…』


「そうか…。では、そろそろ行くぞ。」




刀を持って立ち上がった冨岡さんについて行き、私達は2人で屋敷を出た。




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