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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第26章 痕跡 ✴︎





すると、冨岡さんは片手を握り締めたまま
私の掌に自身の手を持って来て…

彼の手に握られていたものが
私の手の中に移動し、金属のような冷たさを感じた私は、その物の正体を見た瞬間、驚きを隠せなかった。





『あ、の…、これって、まさか…』

「…察する通りだ。
この屋敷の鍵…、一つはお前に渡しておく。」

『こ、こんな大事な物…っ、
私が持ってて…、いいんですか…?』

「あぁ。
俺はもう二度と…と離れる気はない。
一日でも早くお前と暮らしたいと思ってる。」

『っ、冨岡さん…』

「お前を狙う敵がいると知ってしまった以上、こうでもしないと安心できないんだ…。
…余裕が無くてすまない。」







えーっと…


敵っていうのは多分…


不死川さんのこと、だよね…?



冨岡さんの様子からして
まだ不死川さんのことを気にしているのが窺えた。


でも私だって、二度と冨岡さんと離れるつもりはない…。


合鍵を渡されたのだって
まるでプロポーズをされてるみたいで…、胸が苦しくなるほど嬉しい…。



冨岡さんの私への気持ちがじわじわと伝わってきて、感動のあまり、私は涙を溢しながら、冨岡さんの胸に飛び込んだ。





『冨岡さんはいつもずるいですっ…、
なんで急にこんな…っ、
私が喜ぶような事ばっかりするんですか…!?』


「いや、俺は…
ただに側にいてほしいと望んでいるだけ…」


『もうっ!
普段は言葉足らずな癖に…っ、
そういう事だけ素直に言うのがずるいんですよ!!
うわーーーッん…!!!』


「泣くな、…。
…だが良かった。
鍵を渡した事は嬉しく思ってくれているのか。」




…そんなの当たり前でしょ!!?


好きな人から家の合鍵を渡されて
嬉しく思わない女の人なんか地球上には絶対いないよ…。



嬉しくて、嬉し過ぎて……


自分の意思とは関係なく
涙が勝手にこぼれ落ちて来るほど
喜びに満ち溢れている状態の私は


冨岡さんの胸に顔を寄せて泣きながら喜んでいると、冨岡さんは私の体を優しく抱き締め返して来た。



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