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《冨岡夢》恋い、慕う[鬼滅の刃]

第26章 痕跡 ✴︎





自分が不甲斐なくて、情けなくて
落ち込みながら俯いていると
冨岡さんは私の体を優しく抱きしめて来た。






「…、
確かに俺はお前を抱くつもりだった…。
途中で寝られた時は…、落胆したな。」


『そ、そうですよね…。
本当に…すみませ……』


「だから、今度お前に触れる時は我慢しない。」

『っ、へ…?』

「例えお前が疲れていても
眠さの限界だったとしても…、お前を俺のものにするから。」


『っ、はい…、わかり、ました…。』





抱き締められている状態だから
冨岡さんの声が耳に直接響いて…


…その真剣な声と言葉にドキドキする。



今度冨岡さんと触れ合う時は
絶対に途中で終わることはない、と
そう確信させられた。






「じゃあ…、俺はもう行く。
も蝶屋敷に戻れ。」

『あ…、ひょっとして稽古に…?』

「…いや、夜の警備だ。」

『そう…ですか…。』




やっぱり冨岡さんはまだ
稽古に参加する意志がないんだ…。


錆兎さんのことを含めた
冨岡さんの過去を全部私に話してくれたから
てっきり考えを改め直してくれたと思ってけど、そんな上手くいくはずないよね…。




「…、ごめん…。
稽古の事は、もう少し時間をくれないか?」

『え…?』

「ちゃんと参加できるように…、
自分の気持ちを整理させたいんだ。」

『も、もちろんです!!』




良かった…

じゃあ前向きに考えてくれてるって事なんだ…。



稽古に参加しないままだったら
冨岡さんが鬼殺隊で孤立しそうで心配だったけど、少しは吹っ切れたのかもしれない。





「それと…、お前に渡しておきたい物がある。」

『え?どんな物ですか?』

「…手を出せ。」

『??』




渡される物に全く見当がつかない私は
言われた通りに、手のひらを上にした状態で
自分の片手を差し出した。




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