第24章 指南
『あの…、選別の時、
冨岡さんはどうされてたんですか?』
あの人が異能の鬼に立ち向かって行く友達を1人で行かせるとは思えない…。
錆兎さんだけが犠牲になったのは
何か理由があるんじゃないかと思えてならなかった。
「義勇はな…、
山で最初に襲いかかって来た鬼に負傷させられてしまったんだ。だが、そんな義勇を助けたのは錆兎だった…。」
『じゃあ…、冨岡さんを助けた後に
錆兎さんは異能の鬼のところへ…?』
「あぁ…、
負傷した義勇を他の剣士に預けた後に。」
…そして、怪我をした冨岡さんは
そのまま意識を失ってしまい
目が覚めたのは選別が終わってからだったそうだ。
「義勇は今でも
"自分は選別に突破した訳ではない…、
ただ守られて生き残った自分には
鬼殺隊の隊士として相応しくない…”、
そう考えているのだと、儂は思う。」
『っ…』
確かに、私の知ってる冨岡さんなら
そう思っていそうだと納得してしまった。
真面目で、頭の固い冨岡さんの考えそうなことだもん…。
「錆兎が亡くなった後
義勇は暫く塞ぎ込んで悲しんでいたが
時が経過し、傷が癒えてからは鍛錬に没頭し続け、鬼狩りの任務も沙汰なくこなし、柱になった…、
儂が話せるあの子の事はここまでだ。」
『…。』
冨岡さんの過去の話を聞き終わった私は
鱗滝さんに対して、何も言葉が出なかった。
冨岡さん…
あなたが柱になったのは
家族だけでなく、大切な友人を失ったからだったんですね…?
一体どれほど苦しかっただろう…
どれほど辛かっただろう…、
冨岡さんの心情を想像しただけで
胸の奥がすごく痛くなって…
「…!!どうした…?」
『っ、す、すみま、せん…、涙が勝手にっ…』
私が泣いたところでどうにもならないのに
気がつくと頬に涙がつたいはじめていた。
何度も拭っては溢れ、拭っては溢れ…
涙を止める方法は分からないし
私が振られた理由も分からないまま…、
頭の中が混乱を招いていた。