第24章 指南
「成程…、御館様から手紙を受け取り
ここへやってきた、と…。」
『突然お伺いしてすみません…。
でも私、もっと冨岡さんの事を知りたくて…、
私との関係を終わらせた理由も知れるんじゃないかって…。御館様から手紙を貰ったら、居ても立っても居られなかったんです…。』
「そうか…。」
鱗滝さんは一言そう呟くと
何かを考えているような雰囲気をしたまま黙り込んだ。
私のことを信用できる人間に値するかどうか見定められているような気もして、極度の緊張を感じながら、
ジッと黙ったまま鱗滝さんから話し出すのを待った。
「…噂でお前達の事を聞いた時、
儂は…、安心したんだ。」
『え…?』
「義勇に大切な人ができ、
あの子が守りたいと思える女が出来たこと…、
弟子が幸せになること、師としては嬉しかった。」
『…。すみません…、ですが今は、もう…』
私はもう冨岡さんの恋人じゃない…。
私と一緒にいる事で
冨岡さんにも幸せになって欲しかったけど…
やっぱりそれはもう叶わない夢なのかな…。
「…、義勇から家族の話は聞いたか?」
『は、はい…。
ご両親とお姉さんは既に亡くなられた、と…』
「その後、天涯孤独となってしまったあの子を
儂が引き取ったんだ。同時期に…、もう1人な。」
『もう1人…?』
「名を錆兎という、獅子色の髪をした男だ。
義勇と境遇が似ていて、2人は兄弟のように仲が良かった。」
鱗滝さんの話によると
冨岡さんと錆兎さんって人は、2人で一緒に
この狭霧山で修行をしていたらしい。
『じゃあ、その錆兎さんも
鬼殺隊にいらっしゃるんですか?』
「いや…。錆兎は…
最終選別を突破出来ず、命を落とした。」
『え…?そ、そんな…』
「錆兎は、その年に選別を受けた剣士達の中で
誰よりも強かった…。
だが、異能の鬼が現れ、力敵わずやられてしまい
その年は、錆兎以外の子供達が選別を突破した。」
…淡々と話を続ける鱗滝さんだけど
私は今の話を聞いて、疑問に思うことがあった。