第45章 輝く舞台、愛される存在
歌い終わった瞬間、はそっとギターから手を離した。
まだ余韻がステージの空気にふわりと漂っている。
照明がゆるやかに落ち、スタッフが駆け足で舞台袖から現れる。
さっきまで温かく寄り添っていた愛用のギターは、丁寧に抱えられて、そっと回収されていった。
「ありがとうございました!」
深々と頭を下げる。
その背中に、観客席からひときわ大きな喝采が降り注ぐ。
「いや~~~~! 最高でしたね皆さん!!心をあらわれるような歌声に、会場全体うっとりでした!!」
拍手がまたひとつ波となる。
すると突然、ステージ上のスポットライトがすっと消え、代わりに、何か始まる予兆のような演出光が走る。
観客席もざわつきはじめる。
「さて!!みなさま、お待たせいたしました……!!」
だけが、置いていかれる。
不意に背筋がしゃんとなり、素直な混乱が表情から漏れ出す。
会場の視線が徐々に、へと集まっていく。
「ここからは本日のメイン企画!!先生プロデュース対決~~~!!」
どんっ!!!というSEとともに、照明が一気に炸裂。
観客席は一瞬で大歓声に包まれた。
「待ってました!」「うぉおお!!」
しかし、その中心にいるはずのだけは
「……え? ぷ、プロデュース?」
完全に理解不能。
ステージ中央でぽつんと置き去りにされた小動物のように、目をぱちぱちさせるばかり。
「各科の代表者の皆さん!!準備をお願いしまーーす!!」
「代表者……?え?なに??」
会場の空気がわかっている人たちだけで一気に動き出す。
(ちょっと待って待って待って……ほんとになに??誰?代表者?なんの?プロデュースって私を??)
混乱の波に飲まれたその瞬間。
「先生こっちこっち!!準備しますよ!!」
「移動しまーす!!」
両脇からやってきた女子生徒2人に腕を取られ、はほぼ無抵抗のまま舞台袖へと連行される。
「えっ、ちょっ……説明……説明だけでも……!」
「サプライズなので〜!!」
「すっごい楽しみにしてたんですよ全校!!さ、急ぎます!!」