第45章 輝く舞台、愛される存在
会場を一周するときも、心操は必要以上に話さない。
ただ、時々ちらりとを見る。
でもすぐに目を逸らす。
緊張しているのが丸わかりだった。
でもその“頑張ってる感じ”が心操の魅力だった。
ステージ中央に戻り、司会が言う。
「それでは心操くん、最後のアピールを!」
心「……」
少しだけ息を吸い、観客ではなく、だけを見る。
そして、
心「先生」
「……?」
心操は横に立つの手に、そっと自分のタキシードの胸元を重ねた。
心「……ここ、ずっと鳴りっぱなしで。俺……こういうの得意じゃないし、派手にできないけど。……でも、先生にはちゃんと伝えたかった」
そして目を逸らさず、落ち着いた声で最後の一言。
心「今日の先生、…すごく綺麗です」
「っ……」
胸がどくん、と鳴った。
「ぎゃああああ!!」
「低音ボイスで殺しにきたー!!!」
会場がざわめく。
「いやー、これは!控えめなのに刺さるやつですねぇ!!」
司会者もかなり楽しそうだった。
心「それから…」
心操はもう一度、すぅっと息を吸ってをしっかりと見る。
心「俺、もっともっと強くなって。絶対ヒーロー科に行きます。そうしたら、また、一緒に訓練、してくれませんか!」
まるで告白みたいに、手を伸ばす。
はその手を迷わず取った。
「もちろん。いつでも待ってるよ」
「うぉおおお!!!」
告白が成功したみたいに会場も大盛りあがり。
ステージ裏に戻ると、心操はすぐに距離をとって深呼吸した。
心「……すみません。慣れてないのに、調子に乗ったかも」
「ううん。そんなことないよ。それに…かっこいい」
心操は一瞬で耳まで赤くなる。
心「…なら、……よかった」
そして、少しだけ目をそらして。
心「俺……割と本気だったんで」
「えっ…?」
そう言って、静かに控え室へ戻っていった。