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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第43章 響く歌声、癒される心


抱きしめられたまま、は呟いた。

「音楽って、凄いんですよ。言えない気持ちも、音楽に乗せれば伝わると思うんです」

相「そうだな…さっきも、誰かを思い浮かべてたんだろう…?気持ちが痛いほど、伝わってきた気がするよ。…幸せ者だな、そいつは」

その言葉に、はほんの少し眉を下げる。

「……そうです、かね」

でも、背中に回した手は少しだけ力を込めた。

(消太さんがいるから、辛い時も、息を吸っていられる。立っていられる。……あったかい)

2人の間に、柔らかい沈黙が降りる。

どんなに信頼し合っていても。
どんなに愛し合っていても。
どんなに心が寄り添っていても。

言わなければ、伝わらない。

がそっと力を緩めた瞬間、相澤も抱きしめる腕を緩めた。

目が合う。
呼吸が触れ合う距離で、意識が絡む。

どちらともなく、唇が重なった。

ほんの一瞬。
けれど、互いの想いが確かに乗っていた。

相澤は、込み上げた気持ちを必死に押し込めながら、

相「っ…また、聴きに来てもいいか?歌」

「もちろんです」

その返事に安心したように、相澤はもう一度、をそっと抱きしめた。

「消太さん…っ」

相「………」

どうしてこんなにも気持ちが溢れるのか。
が自分の心臓を握ってしまったかのように、苦しいほどに愛おしい。

ずっと抱きしめていたい。
離したくない。

でも、言わない。
困らせたくない。
自分の気持ちに蓋をして、いつも通りの顔をつくる。

強く抱いた腕を離し、相澤はやっと背を向けた。

相「ありがとう。コーヒーもごちそうさま。また…来る」

「はい」

はふわりと優しく笑い、その背中を見送った。
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