第42章 戻らない未来、守りたい命
火葬の翌日。
と通形は様子見でまだ病院にいた。
まだ空気のどこかがしん…としていて、の胸の奥には小さな穴が空いたまま。
そんなの病室の扉が、そっとノックされた。
通「……さん、起きてますか?」
通形だった。
体はまだ痛みが残っているはずなのに、いつもの笑顔を無理にでも形にして入ってくる。
通「今日……どうしても顔、見に来たくて」
無理に明るく振る舞おうとするけど、その瞳には深い悲しみが滲んでいた。
が微笑むと、通形は肩の力を抜くように言った。
通「……よかった。今日もさんの顔が見れて、俺はすごく嬉しい。…さんの笑顔って、誰よりも周りを救うから」
その瞳は痛みをわかったうえで、“あなたの笑顔が好きなんだ”って静かに伝えてくるようなあたたかさがあった。
通「こんなときこそ…笑っててほしいって思っちゃうんだ。さんが幸せでいてくれることが、俺の希望でもあるから」
押しつけじゃない。
ただ純粋に「大切だからこそ笑っていてほしい」という想いだけ。
通形の言葉はそっとの心に沁みて、少しだけ呼吸が楽になる。
はそっと笑う。
昨日よりほんの少しだけ自然に。
通形は嬉しそうに、涙をこらえながら言った。
通「また来ますね。……ね、さん」
その一言が、そっと心に灯りをともす。
そのおかげか、通形が病室を出たあとはゆっくりと眠りにつくことができた。