第42章 戻らない未来、守りたい命
と通形以外は、リカバリーガールの治癒により一足早く退院し、雄英に戻った。
玄関ホールに入るなり――
「大丈夫だったのか!?」「ニュース見たぞ!」
と、仲間たちが一斉に押し寄せてくる。
緑谷たちが無事だと知り、場には安堵が広がる。
……だが、その中で2人だけは違っていた。
爆豪と轟。
2人とも、眉間に深い皺を刻んだまま。
爆「……で、は。大丈夫なンか」
轟「教えてくれ、緑谷。が無事なのはニュースで見た。でも……は優しい。心が柔らかい。昔からナイトアイと縁があったはずだ。そんな人が消えてしまったら……」
轟は唇をかみしめ、苦しそうに続けた。
轟「…の心が折れていないか、それが怖いんだ」
緑谷は拳をぎゅっと握りしめ、ぽつりと漏らす。
緑「……かなり、取り乱してたよ」
爆「端折んな。全部話せ。全部だ」
その声音には怒りではなく、焦りと不安が混じっていた。
緑谷は深く息を吸い、治崎との戦いを語り出す。
が重傷を負ったこと。
治崎の個性で傷が修復され、命を繋いだこと。
ナイトアイに個性を使ったが、奇跡は起きなかったこと。
そして最後に見た、“深い愛”の形。
そのすべてを、言葉を詰まらせながら伝えた。
聞き終えた爆豪と轟の表情は、硬いまま微動だにしない。
他のA組の生徒たちも同じだった。
だがその沈黙に宿る感情は、誰よりも強かった。
爆豪は拳を震わせる。
轟も、握りしめた手が白くなるほど力を込めていた。
“今すぐ飛び出してでも会いに行きたい”
――その衝動が、2人とも全身から滲み出ていた。
だが勝手に行くことはできない。
その現実が、悔しさとして胸を刺す。
爆「……クソッ……なんで俺らは行けねぇんだよ」
轟「……せめて、声だけでも届けばいいのに」
心配で、苦しくて、どうにもできない。
2人の胸にはただひとつの想いが渦巻いていた。
どうか…1人で泣いていませんように。