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【ヒロアカ】愛と癒しの代償【R18】

第42章 戻らない未来、守りたい命


を背に病室を出て扉を静かに閉めたあと、相澤は廊下にひとり立ちすくんだ。

人気のない静かな廊下。
照明の白い光だけが、相澤の影を長く伸ばしている。

壁にもたれると、ふぅ、と深い息をついた。

その吐息には、悔しさ、苦しさ、安堵……
いろんな感情がひとつに混ざっていた。

そして、小さく呟いた。

相「……無茶してばっかりだ。自分の命より、他人のことばかり……。そんな生き方、いつか本当に壊れるぞ」

言いながら、自分の胸の奥がぎゅっと痛むのを感じる。

相「……なのに…放っておけるわけ、ないだろ」

目を伏せ、静かに続ける。

相(泣くなら、支える。立てなくなるなら、何度でも抱き起こす。苦しいなら寄りかかればいい……そのために俺がいる)

そして、ほんのわずかに笑った。
疲れきった、泣き出しそうな、でも優しい笑み。

相「なあ、……生きていてくれて……本当に……よかった………」

その声は震えていて、相澤自身がいちばん信じられていないような、かすかな吐息だった。

ぐっと膝に手をつき、ずるずると壁にもたれるように座り込む。

額を腕に押しつけて隠した目が赤いのは、誰も見ていなければ、きっと本人も気づかないふりをしただろう。

相(……もう二度と、こんな思い…したくない…)

胸の奥で、痛みとも怒りともつかない塊が脈打つ。

相(守れなかったらどうする。失ったらどうする。そんな未来……考えるだけで吐き気がする)

唇を噛みしめ、短く息を震わせる。

相「……無茶ばかり、しやがって……」

怒鳴ることもできず、泣くこともできず。
ただ、胸の奥にこみ上げる熱を必死で押し殺す。

けれど次の瞬間、ぽつりと零れたひと言だけは止められなかった。

相「……生きててくれて、……ありがとう」

その言葉は誰にも届かないはずなのに、まるで祈りのように、静かに空気の中へ溶けていった。

しばらくして、ゆっくりと身体を起こす。

乱れた髪を無造作に後ろへ払い、深く息を吸って、感情を押し込めるように目を閉じた。

そしてもう一度だけ、の病室のドアを静かに見つめる。

相(……頼むから。どうか……もう少しだけ……俺のそばにいてくれ)

声にならない願いを胸にしまい、相澤はようやく病院の出口へ向かって歩き出した。
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